実家じまいの手順|どこから手をつけるか、やること8つを順番に

実家じまいの手順を8つのステップで紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。

親の家を片付けなきゃと思いながら、どこから手をつければいいのか分からないまま時間だけが過ぎていく。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、実家じまいの手順は「家族で話す」「大事な物を探す」「仕分ける」「家の行き先を決める」「手続きをする」の順に進めると迷いにくくなります。

この記事では、やることを8つに分けて、最初の1日に何をするかまで具体的にお話しします。

実家を片付ける人

実家を片付けようと思って行ってみたものの、物が多すぎて立ち尽くしてしまいました。何から始めればいいんでしょう。

案内役

最初から捨て始めなくて大丈夫です。まずは家族で方針を話して、通帳や権利証のような大事な物を探すところから始めましょう。

目次

実家じまいの手順は8つ。まず全体の流れを見ておきましょう

『とにかく物を減らさないと』と焦る気持ち、よく分かります。

ただ、実家じまいは片付けだけで終わる作業ではないんです。家をどうするか、名義や税金の手続きをどうするかまで含めて、ひと続きの流れになっています。

先に結論

実家じまいの方法に正解は一つではありません。ただ、順番を間違えると「捨ててから必要な書類だったと気づく」「売るつもりの家具を処分してしまう」といったやり直しが起きます。下の8つの順番を目安にしてみてください。

順番やることここで決めること・探す物
1家族で話し合う誰が中心になるか、費用をどこから出すか、家を残すか手放すか
2名義と書類を確かめる家と土地の名義、固定資産税の通知書、登記の書類
3貴重品と大事な物を探す通帳、印鑑、権利証、保険の書類、年金の書類、鍵
4部屋ごとに仕分ける残す・売る・譲る・捨てるの4つに分ける
5売る・譲る・捨てるを実行する買取の査定、形見分け、粗大ごみや許可業者への依頼
6家の行き先を決める売る、貸す、住む、解体する、しばらく管理する
7契約や名義の手続きをする電気・ガス・水道・郵便、相続登記、税の申告
8最後の掃除と引き渡し空にした部屋の掃除、鍵の受け渡し

順番の1から3は、物をほとんど動かさない準備です。

ここを先にやっておくと、4から先の仕分けで迷う場面がぐっと減ります。

実家じまいが何を指すのか、生前整理とどう違うのかを先に知りたい方は、実家じまいとは何をすることかもあわせて読んでみてください。全体像は実家じまいのやることと期間の全体像でまとめています。

手順1・2:片付けの前に家族で話しておくこと

兄弟がいる場合は、片付けに入る前に一度だけでも話す場を作っておきましょう。

全員が集まれなくても、電話やグループのメッセージで大丈夫です。例えばこんな切り出し方なら、相手も構えずに返事ができます。

「来月から少しずつ実家を片付けようと思うんだけど、残しておきたい物があったら先に教えてくれる?」

最初の話し合いで共有しておくこと
  • 誰が中心になって進めるか(近くに住む人に偏りすぎないか)
  • 片付けや処分にかかるお金を、親の財産から出すか兄弟で分けるか
  • 家を残すか手放すか、今の時点での気持ち
  • 形見として欲しい物があるか
  • 家と土地の名義が誰になっているか

名義は、固定資産税の納税通知書を見るとおおよその見当がつきます。

正確に確かめたい時は、法務局で登記事項証明書を取ると、今の名義人が分かります。

どこから始める?最初の1日にやること

実家じまいをどこから始めるか迷ったら、最初の1日は「捨てない日」にしてしまうのがおすすめです。

いきなり片付け始めると、袋に詰めた物の中に通帳が紛れ込んでいた、ということが起きやすいんですよね。

実家を片付ける人

でも、せっかく行くなら少しでも物を減らしたいです。

案内役

その気持ちは自然です。ただ、1日目に大事な物の場所が分かれば、2日目からは安心して捨てられます。結果的にそのほうが早く進みますよ。

最初の1日の進め方
  1. 家の中を一周して、部屋ごとの物の量をスマホで撮っておく
  2. 仏壇の引き出し、タンスの上の段、台所の引き出しなど、大事な物が入っていそうな場所を見る
  3. 見つけた通帳・印鑑・権利証・保険証券・年金の書類を一つの箱にまとめる
  4. 郵便受けと届いている郵便物を確かめ、契約している会社をメモする
  5. 次に来る日と、誰と来るかを決めて帰る
実家じまいの最初の1日にやることを示した図解

郵便物はとても大事な手がかりです。

電気やガス、保険、クレジットカードの請求書を見れば、親がどこと契約しているかが分かります。解約や名義変更の手続きを進める時のリストになるので、捨てずに一つの袋に集めておきましょう。

鍵の確認も1日目に

玄関、勝手口、物置、金庫の鍵がそろっているかも見ておきましょう。あとで家を売る時や業者に入ってもらう時に、鍵が足りないと手間が増えます。

片付けの方法は「狭い場所から、使っていない部屋から」

2日目からが本格的な片付けです。

ここでよく聞くのが『リビングから手をつけたら、全然終わらなくて心が折れた』という声。家族が長く使っていた場所ほど物の量も思い出も多いので、最初に選ぶと疲れてしまうんです。

部屋の順番の目安

最初は玄関や洗面所のような狭い場所、または今は誰も使っていない部屋から始めます。「1か所が空になった」という手応えがあると、次の部屋に進む気力が続きます。

進める順番場所の例理由
はじめに玄関、洗面所、トイレ狭くて物の量が少なく、短い時間で終わる
次に使っていない部屋、物置思い出の品が少なく、判断が早い
中盤台所食器や食品が多いが、捨てる判断はしやすい
後半寝室、親の部屋衣類や手紙など気持ちが動く物が多い
最後リビング、仏間家族の思い出が集まり、話し合いが必要な物が多い

仕分けには箱を4つ用意すると迷いません。

「残す」「売る・査定に出す」「譲る」「捨てる」とマジックで書いておき、手に取った物をその場でどれかに入れていきます。

仕分けで迷わないためのコツ
  • 迷った物は「保留」の箱を作って入れ、その日のうちに悩まない
  • 写真や手紙は、ほかの物と分けて別の箱に集める
  • 古い物でも、金色の小物や箱入りの品は「売る・査定に出す」の箱に入れる
  • 家族に確かめたい物は付せんを貼って写真を送る

例えば3LDKの実家なら、1日で1部屋を空にするのは簡単ではありません。

「今日は押し入れの上の段だけ」くらいに区切ったほうが、続けやすいはずです。進まない時の工夫は実家の片付けのコツでも紹介しています。

1回の作業は「半日・1か所」で区切る

遠方から通う場合、1回の帰省で何部屋も片付けようとして、帰りの電車でぐったり。そんな経験をした方もいるはずです。

片付けは体力だけでなく、気持ちも使う作業なんですよね。

1回の作業は半日を目安にして、終わったら空いたスペースを写真に撮っておきましょう。次に来た時に「ここまで進んだ」と分かるだけで、ずいぶん気が楽になります。

家族と一緒に作業する日は、「判断する人」と「運ぶ人」を分けるのもおすすめです。親の物を前にすると手が止まりがちなので、役割を分けたほうが進みます。

売る・譲る・捨てるはこの順番で

仕分けた物は「売る」「譲る」「捨てる」の順に手放していきます。

捨てるのを最後にするのには理由があるんです。一度ごみに出した物は戻せませんが、売る物や譲る物は、あとから気が変わっても相談できるからです。

実家を片付ける人

古い時計や指輪が出てきたんですが、どうせ値段はつかないだろうと思っていて。

案内役

見た目が古くても、金やプラチナは重さで値段がつくことがあります。壊れた時計や片方だけのピアスも、捨てる前に一度査定で確かめてみましょう。

実家の片付けでは、親が大事にしていた物ほど奥にしまわれていることが多いです。

金・貴金属、ブランド品、腕時計、着物、骨董品、切手、古いお金などは、まとめて査定に出すと手間が少なくて済みます。何が売れるのか一覧で知りたい方は実家の片付けで売れるもの一覧を見てみてください。

PR|遺品・実家の品の買取

捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる

金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。

譲る物は、形見分けとして兄弟や親族に声をかけます。

「欲しい物があれば〇日までに教えてね」と期限を区切って写真を送ると、話がまとまりやすくなります。

形見分けで気をつけたいのは、親が亡くなった後で、相続放棄を考えている人がいる場合です。

価値のある物を分けることが財産の処分に当たるかどうかは、事情によって判断が分かれます。放棄を迷っている家族がいる時は、分ける前に家庭裁判所や弁護士に確かめておくと安心です。

親が元気なうちなら、本人に「これは誰に渡したい?」と聞いておけるのが一番です。本人の言葉があると、兄弟の間でも納得しやすくなります。

捨てる物は、市区町村の粗大ごみ収集か、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者に頼みます。

回収業者に頼む前に

家庭のごみを回収するには、市区町村の許可か委託が必要です(環境省)。「無料で回収します」と回っている車に渡す前に、市区町村のホームページで許可業者かどうかを確かめておきましょう。

売り先の選び方は実家の品をどこで売るかで詳しく紹介しています。

家をどうするか決める

物の片付けが見えてきたら、家そのものの行き先を考えます。

実は、この判断を片付けの前半で済ませておくと楽になることも。売るなら残置物の扱いを不動産会社と相談できますし、解体するなら家具を全部運び出す必要があるからです。

家の行き先向いている場合片付けで気をつけること
売る誰も住む予定がない、管理が負担査定の前に家の中を見せられる状態にする
貸す立地がよく、借りたい人がいそう設備の傷みを直す必要があるか確かめる
家族が住む兄弟の誰かが住みたい残す家具と処分する家具を家族で決める
解体して土地にする建物が古く、そのままでは使えない解体前に家財をすべて片付ける
しばらく管理する気持ちの整理がつかない、兄弟の意見がまとまらない換気や郵便物の確認など定期的な見回りが要る
家の行き先を売る・貸す・住む・解体・管理で比べた図解

迷う場合は、まず不動産会社に査定をお願いして「いくらくらいで売れそうか」を知るところから始めてみてください。

金額が分かると、兄弟で話し合う時の材料になります。

親が一人で住んでいた家を相続して売る時は、空き家の3,000万円特別控除が使える場合があります。

ただし、昭和56年5月31日以前に建てられた家であることや、分譲マンションは対象外であることなど、条件が細かく決まっています。売る時期によっては使えなくなることもあるので、方針を決める段階で空き家の3,000万円特別控除の条件を確かめておきましょう。

手順8:最後の掃除と引き渡し

物が全部出たら、最後に部屋の掃除をします。

売る場合は、どこまで掃除するかを不動産会社と相談しておくと、やりすぎも足りないもなくなります。買い手が解体するつもりなら、簡単な掃き掃除で済むこともあるんです。

空き家としてしばらく管理する場合は、水道の元栓を閉めるか、通水と換気を定期的にするかを決めておきましょう。国の空き家の管理の指針でも、定期的な換気や郵便物の確認が挙げられています。

掃除をどこまでやるかは実家の掃除はどこまでやるかで詳しく紹介しています。

解体する場合の届出

床面積の合計が80㎡以上の建物を解体する時は、工事に着手する7日前までに都道府県知事への届出が必要です(建設リサイクル法)。建物を取り壊したら、1か月以内に建物の滅失登記を申請することも法律で決まっています。

期限のある手続きは片付けと並行して

片付けに気を取られていると、うっかり過ぎてしまうのが手続きの期限です。

『片付けが終わってから考えればいいかな』と思いがちですが、親が亡くなった後の手続きには、法律で期限が決まっている物があるんです。

手続き期限相談先
相続放棄・限定承認相続の開始を知った時から3か月以内家庭裁判所
準確定申告相続の開始を知った日の翌日から4か月以内税務署
相続税の申告(基礎控除を超える場合)亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内税務署
相続登記相続で取得したことを知った日から3年以内法務局
郵便の転送届出日から1年間転送される郵便局
相続放棄を考えている場合

相続放棄を考えているのに家財を売ったり捨てたりすると、相続を認めたとみなされるおそれがあります(民法921条)。放棄するか迷っている間は、片付けや売却の前に家庭裁判所や弁護士に相談しておきましょう。

相続登記は2024年4月1日から義務になりました。

正当な理由なく登記しないと10万円以下の過料の対象になることがあります。家を売る時にも名義が親のままでは売れないので、早めに法務局や司法書士に相談しておくと安心です。

親が施設に入っている場合は、親が住所を移すタイミングで郵便の転送や公共料金の名義も見直しておきましょう。

電気・ガス・水道は「止める日」を決めてから

公共料金の解約は、片付けが終わる日から逆算して決めます。

片付けの途中で電気や水道を止めてしまうと、掃除機も使えず、手も洗えません。最後の作業日の翌日あたりを目安にすると困らないはずです。

郵便は、転居届を出すと届出日から1年間、旧住所あての郵便物を新しい住所に転送してもらえます。登録まで3〜7営業日かかるので、早めに出しておきましょう。解約や名義変更の一覧は実家じまいの解約・手続き一覧にまとめています。

よくある相談:実家じまいの手順で迷う声

知恵袋には、実家じまいの順番に迷う相談がいくつも寄せられています。似た悩みを2つ取り上げて、考え方をお伝えしますね。

親と暮らした実家に一人で住んでいる。手放すには何から?

両親が亡くなり、一緒に暮らしていた実家に一人で住み続けている。いずれ手放したいけれど、何から手をつければいいか分からないという相談です。

住みながらの実家じまいは、急がなくていいぶん、区切りがつけにくいんですよね。

住みながら進める時の順番
  1. 相続登記が済んでいるかを確かめる(売る時に名義が必要)
  2. 自分が使っていない部屋から仕分けを始める
  3. 不動産会社に査定を頼み、売るか住み続けるかの材料にする
  4. 引っ越し先が決まってから、残りの家具や家電を処分する

住んでいる家を手放す場合は、親の空き家を売る時とは使える税の特例が違うことがあります。

売却を決めたら、税務署か税理士に「自分の場合はどの特例を確かめればいいか」を聞いてみてください。

実家の片付けはどこから手をつければいい?

物が多くて、どこから手をつければいいか分からないという相談はとても多いです。

答えはシンプルで、「大事な物を探す日」と「狭い場所から片付ける日」を分けること。一度に全部やろうとしないのがコツです。

実家を片付ける人

兄弟には「早く片付けて」と言われるんですが、一人だと全然進まなくて。

案内役

一人で抱えると、どうしても止まってしまいますよね。「この日は一緒に来てほしい」と日付を決めて声をかけてみてください。費用の分け方を先に話しておくのも大事です。

費用の考え方は実家じまいの費用の内訳と見積もりの取り方、兄弟での負担の分け方は実家じまいの費用は誰が払うかで紹介しています。

よくある質問

実家じまいはどこから始めるのがいいですか?

最初の1日は、通帳・印鑑・権利証などの大事な物を探す日にするのがおすすめです。片付けは玄関や洗面所など狭い場所、使っていない部屋から始めると続けやすくなります。

実家じまいの手順で、家族と最初に話すことは何ですか?

誰が中心になって進めるか、費用をどこから出すか、家を残すか手放すかの3つです。全部決まらなくても、方向だけ共有しておくと後の話し合いが楽になります。

実家じまいの方法として、全部を業者に頼むこともできますか?

できます。ただ、貴重品や書類、売れる物は先に自分で探しておくと安心です。地域の業者は複数社から見積もりを取り、追加料金の条件を書面で確かめてから頼みましょう。

実家じまいの手順のうち、一番時間がかかるのはどこですか?

多くの場合は、部屋ごとの仕分けです。物の量だけでなく、思い出の品を前に手が止まる時間もかかります。家の売却や相続の手続きと並行して進めると、全体の期間を縮めやすくなります。

親が生きているうちに実家じまいを始めてもいいですか?

始められます。親が元気なうちなら、何を残したいか、大事な物がどこにあるかを本人に聞けるのが大きな利点です。家の名義が親のままなので、売却は親本人の意思で進めることになります。

まとめ

この記事の要点
  • 実家じまいの手順は、話し合い・書類の確認・貴重品探し・仕分け・売る譲る捨てる・家の行き先・手続き・最後の掃除の8つ
  • どこから始めるか迷ったら、最初の1日は捨てずに大事な物を探す
  • 片付けは狭い場所や使っていない部屋から始め、思い出の多い部屋は最後に
  • 捨てる前に、金・貴金属やブランド品など売れる物は査定で確かめる
  • 相続放棄・準確定申告・相続税・相続登記には期限があるので、片付けと並行して進める
実家じまい.jp

実家じまい.jp 編集部

親の家(実家)の片付け・遺品整理・家財の処分と売り方・空き家の売却や解体・相続登記と税金まで、実家じまいの進め方を、公的機関の情報と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次