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実家じまいの費用はいくらかかるのか。片付けを始める前に、まずそこが気になりますよね。
結論から言うと、実家じまいの費用は「何を・どこまで・誰に頼むか」で大きく変わるので、ひとつの金額では言えません。代わりに、お金がかかる場所と、金額を決める条件を知っておくと、見積もりを見た時に高いか安いかを自分で判断できるようになります。
この記事では、費用の内訳と、法律で決まっている金額、見積もりの取り方と減らし方をお話しします。
ネットで調べると、人によって全然違う金額が出てきて。結局うちはいくらかかるのか見当がつきません。
金額がばらばらなのは、家の広さや物の量、どこまで業者に頼むかが一軒ごとに違うからなんです。まずは何にお金がかかるのかを分けて考えてみましょう。
実家じまいの費用に「相場」や「平均」が出しにくい理由
『みんな平均でいくらくらい払っているの?』と知りたくなるのは自然なことです。
ただ、実家の片付けや遺品整理、家財の処分、解体について、公的機関が出している費用相場はありません。実家じまいの費用相場や平均として出回っている数字は、それぞれの業者や個人の事例をもとにしたものです。
実家じまいの費用は「物の量」「家の造りと搬出のしやすさ」「どこまで自分でやるか」の3つでほとんど決まります。よその家の金額より、自分の実家の条件を書き出して見積もりを取るほうが確かです。
ブログや体験談を読むと「思ったより安く済んだ」「追加料金で倍になった」という両方の声が見つかります。
知恵袋でも、実家じまいの費用についての質問はたくさん寄せられていますが、回答の金額は前提がばらばらです。参考にする時は「何LDKで、何階で、どこまで頼んだ話か」までセットで読むのがコツです。
じゃあ、ネットの金額は見なくていいんですか?
目安として眺めるのは構いません。ただ、その金額を前提に予算を決めてしまうと、見積もりとのずれに戸惑います。自分の家の条件で取った見積もりを基準にしましょう。
金額を比べる時は「中身」をそろえる
見積もりを2社から取ったら、片方が大きく安かった。そんな時ほど、何が含まれているかを見比べてみてください。
例えば、片方は家電のリサイクル料金や搬出の人件費が込みで、もう片方は別料金ということがあります。金額の数字だけを並べると、安いほうが得に見えてしまうんです。
業者に聞く時は、こんな言い方で十分です。
「この金額に、家電の処分と、当日の追加作業は入っていますか?」
一言聞くだけで、あとからの「聞いていなかった」をかなり減らせます。
何にお金がかかる?費用の内訳を分けて見る
実家じまいでお金がかかる場面は、大きく分けると「物」「家」「手続き」の3つです。
全部が一度にかかるわけではなく、家を売るか、解体するか、しばらく管理するかで、必要な項目が変わります。

| 分類 | 費用の項目 | お金がかかる中身 | 払う相手 |
|---|---|---|---|
| 物 | 片付け・遺品整理 | 仕分け、搬出、作業する人の人数と時間 | 遺品整理や片付けの業者 |
| 物 | 家財の処分 | 粗大ごみの手数料、許可業者の回収と運搬 | 市区町村、許可業者 |
| 物 | 家電の処分 | エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機のリサイクル料金と収集運搬料金 | 販売店、指定引取場所 |
| 家 | 清掃 | 空になった部屋の掃除、ハウスクリーニング | 清掃業者 |
| 家 | 解体 | 建物の取り壊し、アスベストの事前調査 | 解体業者 |
| 家 | 管理 | 空き家の間の固定資産税、水道光熱の基本料金、見回り | 市町村、各契約先 |
| 手続き | 相続登記 | 登録免許税、戸籍などの書類、頼む場合は司法書士の報酬 | 法務局、司法書士 |
| 手続き | 売却 | 仲介手数料、売買契約書の印紙、売却益が出た時の税金 | 不動産会社、税務署 |
家を売る場合は、売却代金から仲介手数料などを差し引いた残りが手元に入ります。
売って利益が出れば譲渡所得の税金がかかりますが、空き家の3,000万円特別控除など、条件に合えば使える特例もあります。税の話は実家を売った時の税金で詳しく紹介しています。
親が元気なうちと、亡くなった後で変わる費用
同じ実家じまいでも、親が元気なうちに進めるか、亡くなった後に進めるかで、かかる費用の種類が変わります。
親が元気なうちは、家の名義は親のままなので、相続登記の費用はかかりません。家を売るなら親本人が売主になり、売却の手続きも親の意思で進めます。
親が亡くなった後は、相続登記の登録免許税や、戸籍を集める実費が加わります。相続税は、遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合だけ、申告と納税が必要です。
どちらの場合も、片付けと処分の費用そのものは変わりません。実家じまい全体の流れと期間は実家じまいのやることと期間の全体像で紹介しています。
固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者にかかります。空き家のまま年をまたぐと、翌年の固定資産税も払うことになるので、売る時期を考える時の材料にしてみてください。
空き家のまま置いておく間の費用も、見落としやすいところです。
住宅が建っている土地は、固定資産税の住宅用地特例で、200㎡以下の部分は課税標準が6分の1になっています。ところが、管理が行き届かず市区町村から勧告を受けると、この特例が外れてしまいます。換気や見回りの手間をかけるのは、税金の面でも意味があるんです。
法律で金額が決まっている費用
片付けや解体と違って、登記や裁判所の手続きには、法律で金額が決まっている物があります。
これは見積もりで変わらないので、先に計算しておけます。
| 手続き | 決まっている金額 | ひとこと |
|---|---|---|
| 相続登記の登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4% | 価額が100万円以下の土地は令和9年3月31日まで免税 |
| 相続人申告登記 | 登録免許税はかからない | 売る時は別に相続登記が必要 |
| 相続放棄の申述 | 収入印紙800円(1人につき) | ほかに連絡用の郵便切手 |
| 遺産分割調停の申立て | 収入印紙1,200円(亡くなった人1人につき) | ほかに郵便切手 |
| 相続土地国庫帰属の審査 | 土地一筆あたり14,000円 | 承認されたら別に負担金(宅地は原則20万円) |
| 家電4品目の処分 | リサイクル料金はメーカー、収集運搬料金は販売店が設定 | 指定引取場所に自分で運べば収集運搬料金は不要 |
計算はシンプルで、家と土地それぞれの固定資産税評価額に0.4%をかけるだけです。
評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書や、市区町村で取れる評価証明書で確かめられます。
田舎の土地を国に引き取ってもらう時の費用
売れにくい田舎の土地は、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう方法もあります。
この時にかかるのが、審査手数料と負担金です。審査手数料は不承認になっても返ってきません。
もう一つ大事なのが、建物がある土地は申請できないという点です。家が建ったままでは使えないので、解体の費用も含めて考える必要があります。詳しくは相続土地国庫帰属制度の条件と費用で紹介しています。
相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。正当な理由なく放っておくと、10万円以下の過料の対象になることがあります。
金額を左右する条件
片付けや処分の費用を決めるのは、主に次の条件です。
見積もりを頼む前に、この項目をメモしておくと、業者との話がスムーズになります。
- 間取りと、物が残っている部屋の数
- 家具や家電の大きな物の数
- 何階か、エレベーターがあるか、階段の幅は狭くないか
- トラックを家の近くに止められるか、玄関までの距離はどれくらいか
- 分別がどこまで済んでいるか
- 業者の拠点から実家までの距離

同じ量の荷物でも、階段で運び下ろす家と、玄関の前にトラックを止められる家では、作業する人数や時間が違ってきます。
分別が済んでいない物が多いほど、業者が仕分けにかける時間も増えるんです。
実家がマンションの場合に気をつけること
実家じまいの費用をマンションで考える時は、一戸建てと少し違う点があります。
まず、搬出にエレベーターを使えるか、共用部分を養生する必要があるかで、作業の手間が変わります。管理組合に作業の届出が必要な建物もあるので、日程を決める前に管理規約を確かめておきましょう。
マンションなら解体費はかからないから、一戸建てより安く済みますよね。
解体の心配がないのはその通りです。ただ、売れるまでの間も管理費や修繕積立金がかかり続けます。それに、空き家の3,000万円特別控除は分譲マンションでは使えないので、売る時の税金も前もって確かめておきましょう。
見積もりの取り方
業者に頼む部分が決まったら、見積もりを取ります。
『何社も呼ぶのは気が引けるし、1社で決めてしまいたい』と思う方もいるかもしれません。その気持ちも分かりますが、比べる相手がいないと、金額が妥当かどうかを判断できないんです。
国民生活センターには、遺品整理サービスで「作業時に予定外の料金を請求された」「処分しない予定の遺品が処分された」といった相談が寄せられています。見積もりの段階で防げることが多いので、次の流れで進めてみてください。
- 残す物と処分する物を分け、残す物には目印を付けておく
- 地域の業者を複数社選び、それぞれに家の中を見てもらう現地見積もりを頼む
- 作業内容と金額を項目ごとに書いた見積書を出してもらう
- 追加料金がかかる条件とキャンセル料を、書面で確かめる
- 家庭ごみを運ぶ業者なら、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可があるかを確かめる
- 比べて納得できたところに頼む
電話だけで「一式いくら」と言われた時は、何が含まれているのかを聞いてみましょう。
例えば「家電のリサイクル料金は別ですか?」「当日、物が多かったら金額は変わりますか?」と聞くと、追加料金の条件が見えてきます。
見積書を受け取ったら、次の項目が書かれているかを見てみてください。
- 作業する日と、作業する人の人数
- 運び出す物の範囲(どの部屋の、どの物まで)
- 処分費、運搬費、人件費が分けて書かれているか
- 追加料金がかかる場合の条件と金額の決め方
- キャンセルした時の扱い
書かれていない項目があれば、その場で聞いて書き足してもらいましょう。口約束だけで進めると、当日に話が食い違った時に確かめる手段がなくなってしまいます。
見積もりと違う請求をされた、解約したらキャンセル料を求められた、といった時は、一人で悩まずに消費者ホットライン188に相談できます。近くの消費生活センターにつないでもらえます。
費用を減らす5つの方法
費用は、業者に頼む量を減らすほど下がります。
『全部自分でやらないと安くならないのかな』と身構えなくて大丈夫です。全部を自分でやる必要はありません。できるところだけ自分でやって、重い物や大量の物はプロに任せる、という分け方で十分です。
- 貴重品と書類を探す
- 残す物・売る物・捨てる物の仕分け
- 自治体の粗大ごみに出せる物の申し込み
- 売れる物の査定の申し込み
- 大型家具の搬出、階段での運び下ろし
- 大量の家財を一度に運ぶ作業
- 解体や、アスベストの事前調査
- 登記や税金の申告で迷う部分
1. 仕分けを自分で済ませておく
業者は、物の量と作業の時間で金額を出すことが多いです。
仕分けが済んでいれば、その分の作業が減ります。保留の物は1か所にまとめておくだけでも、当日の動きが変わります。
2. 市区町村の粗大ごみを使う
自治体の粗大ごみは、申し込んで決められた日に出せば、手数料で回収してもらえます。
数回に分けて出す必要がありますが、時間に余裕があるなら一番手堅い方法です。
申し込みの方法や1回に出せる数は市区町村ごとに違います。実家のある市区町村のホームページで、粗大ごみの出し方を一度確かめておきましょう。
遠方に住んでいて収集日に立ち会えない時は、近くに住む親族に頼めないか相談してみるのも手です。
3. 家電は指定引取場所に自分で運ぶ
家電4品目は、指定引取場所に自分で持ち込めば、収集運搬料金がかかりません。
車を出せる家族がいる時は、試してみる価値があります。
4. 売れる物は捨てる前に買取に出す
実は、費用を減らすうえで一番効くのがここです。
処分するはずだった物の中に値段がつく物があれば、その分は処分費がかからず、売ったお金を片付けの費用に回せます。金・貴金属、ブランド品、腕時計、着物、骨董品、切手、古いお金は、古くても査定してもらう価値があります。
とはいえ、何が売れるのか自分では分からないんです。
分からないままで大丈夫です。迷う物は「査定に出す箱」にまとめておいて、まとめて見てもらいましょう。出張査定なら、運び出しが大変な物もその場で見てもらえます。
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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
どんな物に値段がつきやすいかは実家の片付けで売れるもの一覧を、買取店とリサイクルショップのどちらに出すか迷う時は実家の品はどこで売るかをのぞいてみてください。
5. 家の方針を早めに決める
家を売るなら、残っている家具の扱いを不動産会社と相談できることがあります。
解体するなら、家財を全部出す必要があります。方針が決まらないまま片付けると、二度手間になりやすいんです。
例えば「売るつもりで家具を全部処分したあとに、兄弟の一人が住みたいと言い出した」という行き違いは、珍しくありません。
家族で方針をそろえてから大きな物を動かすだけで、処分のやり直しにかかる費用を防げます。
よくある相談:知恵袋に多い費用の悩み
知恵袋には、実家じまいの費用についての相談が多く寄せられています。中でもよく見かける3つを取り上げます。
相続登記をすると高い費用がかかると聞いた
相続登記の義務化で、登記しないと過料があるけれど、登記するにも高い費用がかかると聞いて迷っている、という相談です。
相続登記で法律上決まっているのは、固定資産税評価額の0.4%の登録免許税です。
そこに戸籍などの書類を取る実費と、司法書士に頼む場合はその報酬が加わります。報酬は事務所ごとに違うので、見積もりで確かめてみてください。
自分で法務局に申請することもできますし、期限内の義務を果たすだけなら、登録免許税のかからない相続人申告登記という方法もあります。手順は相続登記の義務化と自分でする手順で紹介しています。
遺品整理の費用の相場を知りたい
親が亡くなり、兄弟で家を相続することになった。遺品整理にいくらかかるのか知りたい、という相談です。
先ほどお話ししたように、公的な相場はありません。
まずは物の量と家の条件を書き出し、複数社に現地で見積もりを取るのが近道です。兄弟で費用を分けるなら、見積書を共有しておくと話がまとまりやすくなります。分け方は実家じまいの費用は誰が払うかで紹介しています。
団地の上の階で、粗大ごみの回収費用が気になる
エレベーターのない団地の上の階で実家じまいをしていて、残った粗大ごみの回収費用が気になる、という相談です。
階段で運び下ろす必要がある場合は、作業する人数が増えるぶん、費用が上がりやすくなります。
自治体の粗大ごみを使う場合も、指定の場所まで運び出すのは自分です。運べない大きな物だけを業者に頼み、運べる物は自治体に出す、と分けると負担を抑えられます。
よくある質問
実家じまいの費用はいくら用意しておけばいいですか?
家の広さや物の量、どこまで業者に頼むかで変わるので、ひとつの金額では言えません。まずは見積もりを複数社から取り、登録免許税など法律で決まっている費用を足して全体の予算を考えましょう。
実家じまいの費用は親のお金から出してもいいですか?
家族で合意していれば、親の財産から出す方法もあります。親が亡くなった後に相続放棄を考えている人がいる場合は、使う前に家庭裁判所や専門家に相談しておくと安心です。
見積もりは何社くらいから取ればいいですか?
何社と決まりはありませんが、国民生活センターも複数社から見積もりを取ることを勧めています。現地で家を見てもらい、追加料金の条件を書面で比べられる数にしましょう。
実家じまいの費用は、マンションと一戸建てで何が違いますか?
マンションは解体の費用がかからない一方、売れるまでの間も管理費や修繕積立金がかかります。搬出では共用部分の養生や管理組合への届出が必要なこともあり、空き家の3,000万円特別控除も分譲マンションでは使えません。
費用を一番減らせるのはどこですか?
売れる物を捨てずに買取に出すことと、仕分けを自分で済ませることです。業者に頼む物の量が減るほど、処分にかかる費用も下がります。
まとめ
- 実家じまいの費用には公的な相場がなく、物の量・家の造り・頼む範囲で大きく変わる
- 費用は「物」「家」「手続き」の3つに分けて考えると見通しが立つ
- 登録免許税0.4%、相続放棄の印紙800円など、法律で決まっている金額は先に計算できる
- 見積もりは複数社から現地で取り、追加料金とキャンセル料の条件を書面で確かめる
- 売れる物を買取に出し、仕分けを自分で済ませると、費用を大きく減らせる







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