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実家じまいを終えた人から「あれを捨てなければよかった」「先に兄弟に話しておけばよかった」という声を聞くと、自分も同じことをしてしまわないか不安になりますよね。
結論から言うと、実家じまいでやってはいけない失敗の多くは、「急ぐ」「一人で決める」「まとめて捨てる」の3つから起きています。逆に言えば、この3つに気をつけるだけで、後悔の大半は防げるんです。
この記事では、よくある失敗を10個に分けて、それぞれの防ぎ方をお話しします。
仕事の休みが限られていて、とにかく早く終わらせたいんです。急ぐとやっぱり失敗しやすいですか?
急ぐこと自体は悪くありません。ただ、捨てる前に「確かめる時間」だけは削らないでください。そこさえ守れば、早く進めても大きな後悔は避けられます。
実家じまいの失敗は10個に分けると見えてきます
『失敗しないようにと言われても、何に気をつければいいのか分からない』という方も多いはずです。
まずは、よくある失敗を一覧で見てみましょう。家族のこと、片付けのこと、業者や手続きのこと、家のことに分かれます。
取り返しがつかない失敗は「捨ててしまった物」と「過ぎてしまった期限」です。この2つに関わる失敗から優先して防ぎましょう。
| 番号 | やってはいけないこと | あとで困ること | 防ぐための一手 |
|---|---|---|---|
| 1 | 兄弟に黙って進める | 形見や費用のことで関係がこじれる | 始める前に一度連絡する |
| 2 | 立て替えた費用を記録しない | 精算の時に金額で揉める | 領収書を1冊にまとめる |
| 3 | 親の気持ちを置き去りにする | 親との関係がぎくしゃくする | 親の物は本人に聞いてから |
| 4 | 書類や貴重品をごみに出す | 手続きができない、財産が分からない | 最初の1日は探すだけにする |
| 5 | 価値のある物をまとめて処分する | 売れたはずの物を手放す | 捨てる前に査定で確かめる |
| 6 | 許可のない回収業者に渡す | 高い費用を求められる、不法投棄 | 市区町村の許可業者か確かめる |
| 7 | 見積もりを口約束で済ませる | 当日に追加料金を請求される | 追加料金の条件を書面で |
| 8 | 相続放棄の前に家財を処分する | 放棄できなくなるおそれ | 処分の前に家庭裁判所や専門家へ |
| 9 | 手続きの期限を過ぎる | 選択肢が減る、過料の対象になる | 期限を一覧にして共有する |
| 10 | 空き家を放置する | 傷みが進み、税の特例が外れることも | 見回りの頻度を決める |

ここからは、一つずつ具体的に見ていきます。実家じまい全体の進め方は実家じまいのやることと期間の全体像で紹介しています。
家族との間で起きやすい失敗
実家じまいの後悔で一番重く残りやすいのが、家族との関係です。
物はあとから買い直せても、こじれた関係を戻すのは時間がかかりますよね。
失敗1:兄弟に黙って進める
近くに住む人が、良かれと思って一人で片付けを進めてしまうケースです。
あとから兄弟に『あの時計は自分がもらうつもりだった』と言われて、もう処分した後だった、ということが起こります。
始める前に、たった一度の連絡でかまいません。
「来月から実家の片付けを始めるね。欲しい物があったら、今月中に教えてくれる?」
この一言があるだけで、あとから責められることはぐっと減ります。
連絡する時は、写真を添えると話が早く進みます。
例えば、タンスの中や棚の上を撮って送り、「この中で欲しい物があれば教えて」と聞く方法です。遠方に住む兄弟も、実家に来なくても選べるので、返事をもらいやすくなります。
失敗2:立て替えた費用を記録しない
片付けや処分の費用を立て替えて、領収書をなくしてしまうケースです。
いざ精算しようとしても、いくら払ったのか自分でも分からなくなってしまいます。支払うたびにスマホで領収書を撮り、日付・相手・金額をメモしておきましょう。費用の分け方は実家じまいの費用は誰が払うかで詳しく紹介しています。
失敗3:親の気持ちを置き去りにする
親が元気なうちに実家じまいを進める時、子の側の都合で物を減らしてしまうケースです。
捨てられない親には、捨てられない理由があります。「もったいない」「思い出がある」「いつか使う」という気持ちを否定せずに、まずは本人に聞いてみてください。
親に聞くと全部「いる」と言われて、まったく進まないんです。
そういう時は「捨てる」ではなく「使っていない物をまとめる」と言い換えてみてください。一度箱に入れておくだけなら、親も受け入れやすくなります。
親が施設に入っている場合も、本人に確かめられるなら確かめておきましょう。
全部を聞く必要はありません。「残しておきたい物を3つ教えて」と数を区切って聞くと、親も答えやすくなります。本人の言葉があると、兄弟の間でも「お母さんがそう言っていたから」と納得しやすいんです。
捨てられない親への伝え方は片付けない親への伝え方で紹介しています。
片付けで起きやすい失敗
片付けの失敗は「捨ててしまった物は戻らない」という点で、取り返しがつきにくいものが多いです。
失敗4:書類や貴重品をごみに出す
通帳や権利証、保険証券、年金の書類が、古い封筒や雑誌の間に挟まっていることは珍しくありません。
一気に袋に詰めていくと、気づかないままごみに出してしまうことも。
- 仏壇の引き出しや、位牌の後ろ
- タンスの上の段と、衣類の間
- 台所の引き出しや、食器棚の奥
- 古い封筒、手帳、雑誌の間
- 金庫や、鍵のかかった引き出し
届いている郵便物も、捨てずに一つの袋に集めておきましょう。請求書や通知を見れば、親がどこの銀行や保険会社と取引していたかが分かり、解約や相続の手続きの手がかりになります。
最初の1日は「捨てない日」と決めて、大事な物を探すだけにするのがおすすめです。始め方は実家じまいの手順で紹介しています。
失敗5:価値のある物をまとめて処分する
古いから、汚れているからと、まとめて処分してしまうケースです。
実は、売れる物ほど奥にしまわれていることが多いんです。金やプラチナは重さで値段がつくことがあり、壊れた時計や片方だけのアクセサリーでも査定の対象になることがあります。
業者に「全部お任せ」で頼もうと思っていたんですが、それだと危ないですか?
全部任せること自体は悪くありません。ただ、その前に売れそうな物だけ別に分けて、査定に出しておくと安心です。処分するはずだった物にお金がつけば、片付けの費用にも回せますよ。
金・貴金属、ブランド品、腕時計、着物、骨董品、切手、古いお金は、捨てる前に一度確かめてみてください。何が売れるのかは実家の片付けで売れるもの一覧にまとめています。
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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
査定を頼む時は、品物をきれいに磨いたり、箱から出して並べ直したりする必要はありません。
付属品や箱、保証書が残っていれば一緒に出すと、品物の説明がしやすくなります。出張査定なら、運び出しが大変な物もその場で見てもらえます。
写真や手紙のように、売れなくても家族にとって大事な物もあります。
こうした物は、ほかの物と分けて1つの箱に集めておきましょう。捨てるかどうかは、片付けがひと段落してから家族で決めれば十分です。
業者と手続きで起きやすい失敗
業者や手続きの失敗は、知っていれば防げるものがほとんどです。
『知らなかった』で損をしないように、ここだけは目を通しておいてください。
失敗6:許可のない回収業者に渡す
家庭のごみを回収するには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可か、市区町村の委託が必要です(環境省)。
古物商や産業廃棄物の許可だけでは、家庭のごみは回収できません。軽トラックで回って「無料で回収します」と呼びかける業者の多くは許可を受けていない、と政府広報オンラインでも注意を呼びかけています。
頼む前に、市区町村のホームページで許可業者の一覧を確かめておきましょう。
一覧が見つからない時は、市区町村の廃棄物やリサイクルの担当に電話で聞けば教えてもらえます。
家電については、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの4品目は家電リサイクル法で出し方が決まっています。販売店に引き取ってもらうか、指定引取場所に持ち込み、リサイクル料金を払うと家電リサイクル券が発行されます。券の番号で、メーカーに引き渡されたかを確かめられるんです。
失敗7:見積もりを口約束で済ませる
国民生活センターには、遺品整理サービスで「作業時に予定外の料金を請求された」「処分しない予定の遺品が処分された」という相談が寄せられています。
不用品回収でも「定額パックのはずが、作業後に高い料金を請求された」という相談が増えていました。
- 地域の業者を複数社選び、家の中を見てもらう現地見積もりを頼む
- 作業内容と金額を項目ごとに書いた見積書をもらう
- 追加料金がかかる条件とキャンセル料を書面で確かめる
- 残す物には目印を付け、当日も立ち会って伝える
困った時は、消費者ホットライン188に電話すると、近くの消費生活センターにつないでもらえます。
失敗8:相続放棄の前に家財を処分する
親に借金があるかもしれない、と相続放棄を考えている人が、先に家財を売ったり捨てたりしてしまうケースです。
相続財産を処分すると、相続を認めたものとみなされるおそれがあります(民法921条)。どこまでが許される範囲かは事情によって判断が分かれるので、自分で決めずに専門家に相談するのが安全です。
相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。迷っている間は、片付けや売却、形見分けの前に、家庭裁判所や弁護士に確かめておきましょう。
相続放棄と片付けの関係は相続放棄するなら実家の片付けはどうするかで詳しく紹介しています。
失敗9:手続きの期限を過ぎる
片付けに追われて、期限のある手続きを後回しにしてしまうケースです。
『片付けが終わってから役所や税務署に行けばいい』と考えていると、気づいた時には期限が目の前、ということも。法律で決まっている期限は、片付けの進み具合を待ってくれません。
| 手続き | 期限 | 過ぎるとどうなるか |
|---|---|---|
| 相続放棄 | 相続の開始を知った時から3か月以内 | 単純承認したものとみなされる |
| 準確定申告 | 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内 | 期限内の申告ができなくなる |
| 相続税の申告(基礎控除を超える場合) | 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 | 期限内の申告ができなくなる |
| 相続登記 | 取得を知った日から3年以内 | 正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象 |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで | 期限後の売却では使えない |
相続放棄の3か月は、家庭裁判所に申し立てれば延ばしてもらえることがあります。
期限が近いのに判断がつかない時は、早めに相談してみてください。
期限は、兄弟の誰か一人だけが知っていても意味がありません。
この表をスマホで撮って家族のグループに送るなど、全員が同じ情報を持っている状態にしておきましょう。「誰かがやってくれていると思っていた」という行き違いは、期限の失敗でとても多いパターンです。
相続登記は2024年4月1日から義務になり、それより前に相続した家も対象です。親より前の代の名義のまま、という実家も珍しくないので、登記事項証明書で今の名義を一度確かめてみてください。
家のことで起きやすい失敗
最後は、家そのものの扱いについての失敗です。
失敗10:空き家を放置する
片付けが終わって気が抜けたり、兄弟の意見がまとまらなかったりして、空き家のまま置いておくケースです。
人が住まない家は、不具合が見つかりにくく、傷みが早く進みます。国の空き家の管理の指針でも、定期的な換気や通水、郵便物の確認、庭木の手入れが挙げられています。
管理が行き届かず、市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れてしまいます。200㎡以下の部分は課税標準が6分の1に軽くなっているので、外れると負担が大きく変わるんです。

売るか残すかすぐに決められなくても大丈夫です。月に1回など見回りの頻度を決めて、誰が行くかを兄弟で分けておけば、放置にはなりません。遠方の場合は、管理を業者に委託する方法もあります。
空き家の管理で月に1回やることや、遠方からの管理の方法は空き家になった実家の管理で詳しく紹介しています。
よくある相談:実家じまいで後悔した声
知恵袋には、実家じまいで物を手放して後悔した、という声も寄せられています。3つ取り上げて、どうすれば防げたかを考えてみます。
古い布団を捨てたら後悔するか迷っている
以前、親族から譲り受けた重い綿の布団を、捨てていいものか迷っているという相談です。
結論から言うと、使う予定がなく、保管する場所もないなら、手放しても後悔は少ないはずです。迷いの正体が「譲ってくれた人への気持ち」なら、写真を撮ってから手放すのも一つの方法です。
綿の布団は、打ち直しをして使い続けることもできます。布団や衣類の出し方は実家の布団・衣類の処分で紹介しています。
断捨離や終活で捨てて後悔した物は?
実家じまいをしてみて、捨てて後悔した物は何か、という問いかけです。
回答で多いのは、写真や手紙、親の手書きのメモ、そして値打ちを知らずに処分した品物です。
前の3つは、売れなくても家族にとってかけがえのない物ですよね。最後の1つは、捨てる前に査定に出していれば防げました。どちらも「すぐに捨てずに一度分けておく」ことで避けられます。
業者に頼んだら、思っていたのと違った
遺品の整理を業者に頼んだところ、整理というより処分が中心で、残してほしかった物まで処分されてしまった、という相談です。
業者に悪気がなくても、「整理」という言葉のとらえ方が家族とずれていることがあります。
頼む前に、残す物に目印を付けて別の部屋に移しておくこと、当日は立ち会って最初に伝えることで、行き違いはかなり防げます。
失敗を防ぐための最終チェック
最後に、片付けを始める前と、業者や家の方針を決める前に見ておきたい項目をまとめておきます。
- 兄弟や親族に、始めることと欲しい物の締め切りを伝えた
- 費用の出し方と、立て替えた分の精算方法を決めた
- 通帳・印鑑・権利証・保険の書類を見つけて1か所にまとめた
- 売れそうな物を「査定に出す箱」に分けた
- 相続放棄を考えている人がいないか確かめた
- 期限のある手続きを一覧にして家族と共有した
- 業者に頼む時は、許可と見積書の中身を確かめた
- 空き家の見回りを誰がいつ行くか決めた
全部にチェックがつかなくても、焦らなくて大丈夫です。
一つ確かめるたびに、後悔の種が一つずつ減っていきます。
特に大事なのは、上の3つです。
家族への連絡、費用の決め方、大事な物探しが済んでいれば、残りは片付けを進めながらでも間に合います。疲れた日は無理をせず、チェックが一つ増えたことを自分でほめてあげてください。
よくある質問
実家じまいで一番やってはいけないことは何ですか?
確かめないまま、まとめて捨てることです。書類や貴重品、売れる物、家族が欲しがっていた物は、一度ごみに出すと取り戻せません。最初の1日は捨てずに探すだけにすると、この失敗はかなり防げます。
親が亡くなってすぐに片付けを始めてもいいですか?
始めてもかまいませんが、相続放棄を考えている人がいる場合は、家財を処分する前に家庭裁判所や専門家に相談しましょう。相続放棄には、相続の開始を知った時から3か月以内という期限があります。
実家じまいで後悔しやすい物は何ですか?
写真や手紙、親の手書きのメモ、値打ちを知らずに処分した品物がよく挙がります。迷う物は別の箱に集めておき、片付けが落ち着いてから家族で決めましょう。
実家じまいを途中でやめてしまうのは失敗ですか?
失敗ではありません。疲れた時や家族の意見がまとまらない時は、一度止めて休むことも大事です。ただ、期限のある手続きと空き家の見回りだけは、止めている間も続けておきましょう。
業者選びで失敗しないためには何を見ればいいですか?
家庭のごみを運ぶ場合は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可があるかを確かめます。そのうえで、複数社から現地見積もりを取り、追加料金とキャンセル料の条件を書面で比べましょう。
まとめ
- 実家じまいの失敗は「急ぐ」「一人で決める」「まとめて捨てる」から起きやすい
- 取り返しがつかないのは、捨ててしまった物と過ぎてしまった期限
- 書類や貴重品は最初に探し、売れそうな物は捨てる前に査定で確かめる
- 回収業者は市区町村の許可を確かめ、見積もりは追加料金の条件まで書面で
- 相続放棄を考えている時は、処分の前に家庭裁判所や専門家に相談する







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