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片付けの見積もりを前にして、『このお金、誰が払うの?』と手が止まってしまう。兄弟がいると、なおさら言い出しにくいですよね。
結論から言うと、実家じまいの費用を誰が払うかは、法律で一律に決まっているわけではありません。家族で話し合って決めるものなので、「どこから出すか」と「あとでどう精算するか」を先に決めておくのが一番の近道です。
この記事では、費用の出し方の3つのパターンと、記録の残し方、お金がない時の進め方をお話しします。
近くに住んでいる私が片付けを進めているんですが、費用まで全部私が出すことになりそうで、もやもやしています。
そのもやもやは、言葉にして兄弟に伝えていいものです。立て替えるにしても、あとでどう分けるかを決めておけば、気持ちの負担はかなり軽くなりますよ。
費用を誰が払うかは、家族で決めるものです
実家じまいの費用について「長男が払う」「家を継ぐ人が払う」といった決まりは、法律にはありません。
親が元気なうちなら、家も家財も親の物なので、親の財産から出すのが自然です。親が亡くなった後は、遺産は相続人みんなの共有になるので、相続人で話し合って決めることになります。
費用の出し方は「親の財産から出す」「相続人で分ける」「家の売却代金から精算する」の3つが基本です。どれを選んでも、誰がいくら立て替えたかを記録しておくことが、揉めないための土台になります。
親が亡くなった後の法定相続分は、例えば配偶者と子が相続する場合なら、配偶者が2分の1、子が残りの2分の1を人数で均等に分けます。
費用もこの割合で分けると、話がまとまりやすいことが多いです。ただ、これはあくまで目安で、実際に誰がどれだけ手を動かしたかを考えて、家族で割合を変えてもかまいません。
親が元気なうちなら、本人に聞いておく
親が元気なうちに実家じまいを進める場合は、費用の出し方を親本人に相談できます。
「片付けの費用は、お父さんの口座から出してもいい?」と一言確かめておくだけで、あとで兄弟から疑問が出た時にも説明しやすくなります。親の同意を得た日と内容を、メモに残しておくとさらに安心です。
実家じまい全体でやることの順番は実家じまいのやることと期間の全体像、片付けの手順は実家じまいの手順で紹介しています。
費用の出し方は3つのパターン
どのパターンが合うかは、親の預貯金がどれくらいあるか、家を売るかどうかで変わります。
| 出し方 | 向いている場合 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 親の財産から出す | 親の預貯金に余裕がある、親が元気で本人が同意している | 親が亡くなった後は、引き出す前に相続人全員に伝える |
| 相続人で分ける | 親の預貯金が少ない、家を売る予定がない | 割合を決め、立て替えた分の精算日も決めておく |
| 売却代金から精算する | 家を売る予定がある | 売れるまでの間は誰かが立て替える必要がある |

親が亡くなった後に、親の口座からお金を引き出す時は少し注意が必要です。
遺産分割が終わる前でも、預貯金の一部は相続人が単独で払い戻しを受けられる制度があります(民法909条の2)。ただし上限があり、金融機関ごとに手続きも違うので、窓口で確かめてみてください。
親の財産を片付けの費用に使ったり、家財を売ったりすると、相続を認めたとみなされるおそれがあります(民法921条)。家族の中に放棄を考えている人がいる時は、お金を動かす前に家庭裁判所や弁護士に相談しておきましょう。
兄弟で分ける時は「先に決めて、記録を残す」
兄弟で費用を分ける場合は、片付けを始める前に決めておくのがコツです。
終わってから請求すると、『そんなにかかるなんて聞いていない』と言われてしまうことも。先に見積もりを共有しておけば、あとからの行き違いを防げます。
- 見積もりを取り、金額と内訳を兄弟みんなに共有する
- 誰がどの割合で負担するかを決める
- 当面は誰が立て替えるか、精算はいつにするかを決める
- 決めた内容をメッセージやメモで残す
- 領収書を1冊のノートやファイルにまとめる
切り出し方に迷ったら、こんな言い方はどうでしょう。
「見積もりが出たから共有するね。家を売ったら、その代金から立て替え分を精算する形でいいかな?」
金額と精算の方法を同時に伝えると、相手も返事がしやすくなります。
- 支払った日、支払った相手、金額
- 何の費用か(片付け、処分、交通費など)
- 誰が立て替えたか
- 領収書やレシートの写真
- 兄弟で決めた割合と精算の方法
遠方から通う交通費を費用に含めるかどうかも、先に話しておくと安心です。
近くに住む人は手間を、遠くに住む人はお金を多めに出す、という分け方をしている家族もあります。
話し合いがどうしてもまとまらない時は、家庭裁判所の遺産分割調停を使う方法もあります。申立ての費用は、亡くなった人1人につき収入印紙1,200円と郵便切手です。兄弟での進め方は兄弟での実家じまいでも紹介しています。
実家じまいのお金がない時に進める順番
『片付けたいけれど、まとまったお金がなくて動けない』という方もいるはずです。
実家じまいのお金がない時は、お金が入ってくることから先に手をつけ、出ていくお金はできるだけ後ろに回すのがコツです。
- 業者を呼ぶ前に、貴重品と売れる物を自分で探す
- 金・貴金属やブランド品など、売れる物を買取に出す
- 自治体の粗大ごみで出せる物は、少しずつ出していく
- 家を売る場合は、不動産会社に査定を頼んで売却の見通しを立てる
- どうしても自分で運べない物だけ、見積もりを取って業者に頼む

実は、片付けの費用を一番減らしてくれるのが、売れる物を先に買取に出すことなんです。
処分するはずだった物にお金がつけば、その分は処分費がかからず、売ったお金を片付けの費用に回せます。古い指輪や腕時計、着物、切手なども、捨てる前に査定で確かめてみてください。
親の物を売るのって、なんだか後ろめたい気がしてしまって。
そう感じる方は多いです。ただ、使われずに処分されるより、価値の分かる人に引き継がれるほうがいい、という考え方もあります。迷う物は兄弟と相談してから決めましょう。
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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
査定に出す物の目星をつけたい時は売れるもの一覧が役に立ちます。
店頭・出張・フリマなど売り方の向き不向きは実家の品の売り先の違いにまとめました。
相続登記の費用が出せない時は、期限内の義務を果たす方法として相続人申告登記があります。登録免許税がかからず、相続人の一人が単独で申し出られます。ただし、家を売る時には別に相続登記が必要です。
よくある相談:費用の負担をめぐる声
知恵袋には、実家じまいの費用を誰が払うかについての相談も多く寄せられています。3つ取り上げて、考え方をお伝えします。
兄弟が費用を出してくれない
自分ばかりが片付けも費用も負担していて、兄弟が協力してくれない、という相談です。
まずは、見積もりと領収書を見せて、具体的な金額で伝えてみてください。「大変だから手伝って」より「〇〇の費用を立て替えているから、売却の時に精算したい」のほうが、相手も受け止めやすいんです。
それでも話が進まない場合は、立て替えた分の記録を残したうえで、遺産分割の話し合いの中で精算を求める方法があります。家庭裁判所の調停も選択肢の一つです。
相続放棄した実家の解体費用は払わないといけない?
相続放棄をしたのに、実家の解体費用を求められて困っている、という相談です。
相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。ただし、放棄した時に実家を現に占有している人は、次の相続人などに引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存する義務があります(民法940条)。
自分が当てはまるかどうかは事情によって違うので、家庭裁判所や弁護士に相談してみてください。
実家を売ったお金は、翌年の税金のために残しておくべき?
実家を売ったら、翌年に税金がかかるから使わずに残しておいたほうがいい、と言われたという相談です。
家を売って利益が出た場合は、売った年の翌年に確定申告をして、譲渡所得の税金を納めます。空き家の3,000万円特別控除など、条件に合えば使える特例もあります。
売却代金から片付けの費用を精算する前に、税金がいくらになりそうかを税務署や税理士に確かめておくと安心です。
よくある質問
実家じまいの費用は長男が払うものですか?
法律で長男が払うと決まっているわけではありません。親が元気なうちは親の財産から、亡くなった後は相続人で話し合って決めるのが基本です。
立て替えた費用は、あとで兄弟に請求できますか?
家族で事前に決めておけば、売却代金や遺産分割の中で精算できます。領収書と、誰がいくら払ったかの記録を残しておきましょう。
遠方から通う交通費も、実家じまいの費用に含めていいですか?
含めるかどうかも家族で決めてかまいません。含める場合は、ほかの費用と同じように日付と金額を記録しておくと、精算の時に説明しやすくなります。
実家じまいのお金がない時は、何から始めればいいですか?
業者を呼ぶ前に、貴重品と売れる物を自分で探し、売れる物を買取に出すところから始めてみてください。自治体の粗大ごみも少しずつ使えば、出ていくお金を抑えられます。
まとめ
- 実家じまいの費用を誰が払うかは、法律で一律に決まっておらず家族で決める
- 出し方は「親の財産から」「相続人で分ける」「売却代金から精算」の3つが基本
- 兄弟で分けるなら、始める前に見積もりを共有し、立て替えと精算の方法を記録する
- お金がない時は、売れる物の買取や粗大ごみなど、お金が入る・かからない作業から先に進める
- 相続放棄を考えている人がいる時は、お金や家財を動かす前に家庭裁判所や専門家に相談する







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