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親を見送った後、ふと実家に戻ると、そのままの部屋や物を前に手が止まってしまいますよね。「いつから片付ければいいのか」「何から手をつければいいのか」と迷っている方も多いはずです。
父が亡くなって、葬儀がやっと終わりました。実家には物がたくさんあって、早く片付けたほうがいいのか、しばらく置いておいていいのか分かりません。
片付けを始める時期に決まりはないので、気持ちが落ち着くまで待って大丈夫です。ただ、期限のある手続きと、片付けの前にやっておきたい「探し物」があるので、そこから順番に進めていきましょう。
結論から言うと、親の死後の実家の片付けは「手続きと探し物が先、本格的な片付けは相続の方針が決まってから」が基本の順番です。この記事では、始める時期の考え方と、手続きから片付けまでの流れが分かります。
親の死後、実家の片付けはいつから始める?
片付けを始める時期は、家族で決めてかまいません。四十九日や一周忌などの区切りに合わせる家庭も多いです。ただし、相続放棄を考えている場合は、家財を処分する前に家庭裁判所や専門家に相談しておく必要があります。
『早く片付けないと、親不孝みたいに思われるかな』と気にする方もいますよね。でも、亡くなった親の家の片付けに「何日以内に」という決まりはないんです。
一方で、実家が賃貸だった場合の退去日や、売却や解体の予定があると、そこから逆算して進めることになります。家族の事情に合わせて、区切りを決めておくと動きやすくなります。
| 区切りの例 | この時期にやること | 片付けの進め方 |
|---|---|---|
| 葬儀の直後 | 役所や年金などの届け出、大事な物を探す | 生ごみや冷蔵庫の中身だけ片付ける |
| 四十九日の前後 | 親族が集まる機会に、形見分けや家の方針を話す | 形見にしたい物を家族で選ぶ |
| 相続の方針が決まった後 | 誰が家を相続するか、売るか残すかが決まる | 売る物・処分する物を分けて本格的に片付ける |
| 売却や解体の前 | 引き渡しや工事の日が決まる | 残った家財を処分し、掃除をする |
区切りは、あくまで家族が動きやすくするための目安です。兄弟それぞれの都合もあるので、話し合って無理のない時期を選びましょう。
実家が賃貸だった場合は、退去の日から逆算する
親が借りていた家に住んでいた場合は、家主との契約の整理が必要になります。家財の運び出しも、退去の日までに終えることになりがちです。
まずは家主や管理会社に連絡して、退去の段取りと期日を相談しましょう。ここでも、相続放棄を考えているなら、家財の扱いを先に専門家に確かめておくと安心です。
気持ちがついていかない時は
親の物を手に取るたびに思い出があふれて、作業が進まないこともあります。それは自然なことで、急がなくて大丈夫です。
まずは「探し物の日」と決めて、大事な書類だけを探しに行く。そのくらいの小さな一歩から始めても十分です。気持ちの整理については実家じまいが寂しい・つらい時も読んでみてください。

片付けより先に確かめたい手続きと期限
親の死後には、期限が決まっている手続きがいくつかあります。片付けに気を取られて期限を過ぎないよう、先に全体を見ておきましょう。
| 手続き | 期限 | 窓口 | ひと言メモ |
|---|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 相続の開始を知った時から3か月以内 | 親の最後の住所地の家庭裁判所 | 放棄の申述は収入印紙800円(1人につき)。期間の伸長も申し立てられる |
| 準確定申告 | 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内 | 親の納税地の税務署 | 亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得の申告 |
| 相続税の申告・納税 | 死亡を知った日の翌日から10か月以内 | 親の住所地の税務署 | 遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら申告不要 |
| 相続登記 | 相続で取得したことを知った日から3年以内 | 法務局 | 正当な理由なくしないと10万円以下の過料の対象 |
| 建物の滅失登記(解体した時) | 滅失の日から1か月以内 | 法務局 | 実家を解体した場合 |
『まだ葬儀の疲れも取れていないのに』と思いますよね。でも、いちばん短いのは相続放棄の3か月です。親に借金があるかもしれない、家を引き継ぎたくないといった事情がある時は、この期限を意識しておきましょう。
手続きは家族で分けて進める
手続きを一人で全部抱えると、片付けまで手が回らなくなってしまいます。例えば、次のように分けてみるのも一つの方法です。
- 近くに住む人が、実家での探し物や郵便の確認を受け持つ
- 書類仕事が得意な人が、税務署や法務局とのやり取りを受け持つ
- 遠方に住む人が、各社への解約の連絡や費用の立て替えを受け持つ
誰が何をしているかを、家族のグループで共有しておくと、二度手間や抜けを防げます。
相続税がかかるかどうか、相続放棄をするかどうかは、家族の状況によって変わります。個別の判断は、税務署・税理士、家庭裁判所・弁護士、法務局・司法書士に確認してください。
相続税の考え方は実家を相続したら相続税はかかる?、相続登記の流れは実家の相続登記の義務化で詳しく紹介しています。
亡くなった親の家の片付けは「探す」から始める
『どこから手をつけても終わる気がしない』という時ほど、捨てる作業は後回しで大丈夫です。本格的な片付けの前に、まずやっておきたいのが大事な物を探す作業です。手続きに必要な書類や、相続の方針を決める材料が、実家のあちこちにしまわれていることが多いからです。
父は書類をどこにしまっていたのか、まったく分かりません。家中をひっくり返すしかないんでしょうか。
大事な書類は、仏壇の引き出し、タンスの上の段、机の引き出し、金庫などにまとめてしまわれていることが多いです。その辺りから順番に探してみましょう。見つけた物は、一つの箱に集めておくと後が楽ですよ。
- 遺言書や、エンディングノートなどの書き置き
- 通帳、キャッシュカード、印鑑
- 家や土地の権利証、固定資産税の納税通知書
- 生命保険の証券、年金の書類
- ローンや借入れの契約書、督促の手紙
- 公共料金やクレジットカードの請求書
固定資産税の納税通知書は、親が持っていた不動産を知る手がかりになります。借入れの書類は、相続放棄を考えるかどうかの大事な判断材料です。
遺言書らしき物が見つかったら、その場で捨てたり書き換えたりせず、家族に知らせましょう。扱い方は家庭裁判所や専門家に確認すると安心です。
見つけた物は一か所にまとめて記録する
見つけた書類や通帳は、その場で一つの箱にまとめておきましょう。後で「あの通帳、誰が持っていった?」とならないためです。
箱に入れる時に、何がどこにあったかをメモしておくと、相続人への説明も楽になります。スマートフォンで写真を撮っておくのも手軽でおすすめです。
探す時のコツは「部屋ごとに」
家中を一度に探そうとすると、どこまで見たか分からなくなりがちです。今日は寝室、次は仏間、と部屋ごとに区切って探していくと漏れが減ります。
封筒や紙袋の中身も、一つずつ確かめてみてください。古い封筒に現金や通帳が入っていた、という話は珍しくありません。
相続放棄を考えているなら、片付けの前に相談する
ここが大事なところです。相続放棄を考えている場合、家財を売ったり捨てたりすると、放棄できなくなるおそれがあります。
「とりあえず片付けておこう」と、家財を処分したり売ったりした後で、親に借金があったと分かるケースです。民法では、相続人が相続財産を処分すると「単純承認」したものとみなされることがあります(民法921条)。放棄を少しでも考えているなら、片付けや売却の前に家庭裁判所や弁護士に相談してください。
どこまでなら手をつけてよいのか、という線引きは、ケースによって変わります。自分で判断せず、専門家に確認するのがいちばん安全です。
冷蔵庫の中身や生ごみくらいは、片付けてもいいですよね?
腐ってしまう物をそのままにはできませんよね。ただ、どこまでが問題ないかは事情によって違うので、放棄を考えているなら、早めに専門家に聞いてから動くと安心です。
放棄するか迷う時に集めておきたい情報
放棄するかどうかは、親の財産と借金のどちらが多いかで考えることが多いです。通帳の引き落とし記録、借入れの契約書、督促の手紙などが判断の材料になります。
3か月では調べきれない時は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることもできます。期限が迫る前に、早めに相談してみてください。
相続放棄をする場合の実家の扱いは、相続放棄するなら実家の片付けはどうする?で詳しく紹介しています。
相続の方針が決まってから、本格的に片付ける
相続放棄をしない場合も、家財は相続人みんなのものになっています。相続人が何人かいる時は、相続財産は共有になるからです(民法898条)。
だからこそ、本格的な片付けは「誰が家を相続するか」「家を売るか残すか」が決まってから進めるのがおすすめです。勝手に処分してしまうと、兄弟の間で気持ちのすれ違いが起きやすくなります。
- 相続人で話し合い、家を誰が相続するか、売るか残すかを決める
- 形見分けをして、家族が引き取りたい物を先に分ける
- 売れそうな物を取り分け、買取の査定に出す
- 残った家財を、自治体の収集や許可のある業者で処分する
- 掃除をして、売却や解体、空き家としての管理に備える
家を売るか残すかで、片付けの範囲が変わる
片付けをどこまでやるかは、家の行き先で変わります。売るなら引き渡しまでに家の中を空にするのが基本で、空き家として残すなら貴重品と傷みやすい物だけ片付けておけば足ります。
解体する場合も、家財は工事の前に片付けておくことになります。家を壊して土地を手放すつもりなら、解体の段取りと合わせて片付けの予定を立てましょう。
亡くなった親が一人で住んでいた家を相続して売る時は、空き家の3,000万円特別控除が使えるかも確かめてみてください。昭和56年5月31日以前の建築でマンションではないこと、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが条件です。
形見分けは、家族が集まる機会に
形見分けは、四十九日など親族が集まる時に行う家庭も多いです。誰が何を受け取るかを決めておくと、その後の片付けが進めやすくなります。
価値のありそうな物を形見として受け取る時は、ほかの相続人にも一言伝えておくと安心です。形見分けの進め方は形見分けの進め方で紹介しています。
家財の処分は、許可のある回収先で
環境省は、家庭のごみを回収するには市区町村の「一般廃棄物収集運搬業の許可」か委託が必要だと案内しています。量が多くて業者に頼む時は、許可の有無を確かめたうえで、地域の業者を複数社の見積もりで比べましょう。
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は、家電リサイクルのルールで出します。大量のごみの出し方は実家じまいのゴミ出しで紹介しています。

売れる物は、捨てる前に査定で確かめる
亡くなった親の家には、金や貴金属のアクセサリー、腕時計、ブランドのバッグ、着物、骨董品、古いお金や切手などが残っていることがあります。処分の山に入れてしまう前に、一度値段を確かめてみてください。
親の遺品を売ったお金も、相続財産の一部です。兄弟など相続人がいる時は、売る前に相談しておくと後のもめごとを防げます。相続放棄を考えている場合は、売る前に専門家に確認しましょう。
量が多くて運び出せない時は、家に来てもらう出張査定が便利です。例えばおたからやは全国どこでも査定士が伺うと案内しています。査定料や出張料などの手数料はかからないので、金額を聞いてから売るか決められます。
おたからやの出張買取の約束には「遺品の整理や終活の相談がしたい」など品物に関することなら何でも聞いてください、という一文もあります。何が売れるか分からない段階でも、相談しやすいのは助かりますよね。
なお、家に来てもらって売った品物は、書面を受け取ってから8日の間なら、クーリング・オフで取り消せます。不安なことがあれば、消費者ホットライン188で相談を受け付けています。
買取に出す時に決めておくこと
遺品を買取に出す時は、相続人のうち誰が店とやり取りをするかを決めておきましょう。買取では、売る人の本人確認書類が必要になります。
売ったお金をどう分けるかも、先に話しておくと安心です。金額を記録しておけば、遺産分割の話し合いの時にも役立ちます。
売れる物の見分け方は実家の片付けで売れるもの一覧で紹介しています。
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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
よくある相談:親が亡くなった後の実家の片付け
ネットの相談サイトにも、親の死後の家の片付けについての相談がたくさん寄せられています。代表的なものを要約して答えますね。
母が亡くなり、弟と家を相続。遺品整理の費用の相場は?
遺品整理の費用には、公的に決まった相場はありません。金額は、物の量、間取り、階段の有無、運び出しの経路、分別の手間などで変わります。
まずは複数社に現地を見てもらい、作業内容と追加料金の条件を書面で出してもらいましょう。自分たちで仕分けを進める、売れる物を買取に出すといった工夫で、頼む量を減らすこともできます。
費用を誰がどう負担するかは、弟さんと先に話しておくと安心です。費用の内訳は実家じまいの費用の考え方で紹介しています。
一人暮らしの父が亡くなった。荷物の運び出しはどうすればいい?
実家を処分すると決めたものの、大量の荷物をどう運び出すか分からないという相談です。運び出しの方法は、大きく分けて3つあります。
- 自治体のごみ収集や粗大ごみを使って、自分たちで少しずつ出す
- 市区町村の許可や委託を受けた業者に、まとめて運び出してもらう
- 売れる物は、買取店の出張買取で引き取ってもらう
この3つを組み合わせると、費用と手間のバランスが取りやすくなります。
両親が亡くなった実家に、一人で住み続けている。実家じまいの手順は?
両親と一緒に住んでいた家に、亡くなった後も一人で暮らしているという相談です。住みながらの実家じまいは、急がなくていい分、きっかけがつかみにくいですよね。
まずは相続登記が済んでいるかを確かめましょう。相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になっています。そのうえで、使っていない部屋から一部屋ずつ片付けていくと、暮らしながらでも進められます。
遺影や古い写真は、どう処分すればいい?
何十年も前に亡くなった祖父母の遺影や、たくさんのアルバムをどうするかという相談も多いです。写真は、捨てる前に残したい物を選び、データにして残す方法もあります。
手放す時は、気持ちの区切りとしてお寺や神社に相談する家庭もあります。写真の整理の仕方は実家の写真・アルバム・手紙の整理で紹介しています。
よくある質問
親の死後、実家の片付けは四十九日までに終わらせるべきですか?
四十九日までに終わらせなければいけない決まりはありません。四十九日は親族が集まる機会なので、形見分けや家の方針を話す区切りにする家庭が多いです。
親の死後の家の片付けは、誰がやるものですか?
決まりはありませんが、家財は相続人みんなのものなので、相続人で話し合って分担するのが基本です。遠方に住む兄弟は、費用の負担や手続きの連絡など、離れていてもできる役割を受け持つ方法もあります。
相続放棄をしたら、実家の片付けはしなくていいですか?
放棄した人も、放棄の時に実家を現に占有している場合は、引き渡すまで保存する義務があります(民法940条)。自分が当てはまるかどうかは、家庭裁判所や弁護士に確認してください。
親の死後、実家の片付けを業者に頼むタイミングはいつがいいですか?
形見分けと売れる物の取り分けが終わってからがおすすめです。先に業者に入ってもらうと、家族が残したかった物まで運び出されてしまうことがあります。地域の業者は複数社から見積もりを取って比べましょう。
遺品の中に現金が見つかったらどうすればいいですか?
見つかった現金も相続財産です。金額をメモして保管し、ほかの相続人に伝えておきましょう。相続税の申告が必要な場合は、財産に含めて考えます。
まとめ
- 親の死後の実家の片付けを始める時期に決まりはなく、家族で区切りを決めてよい
- 相続放棄(3か月)や準確定申告(4か月)など、期限のある手続きを先に確かめる
- 本格的な片付けの前に、遺言書や通帳、権利証などの大事な物を探す
- 相続放棄を考えているなら、家財の処分や売却の前に専門家に相談する
- 売れる物は、相続人と相談したうえで捨てる前に査定に出す
実家じまいの全体の流れは実家じまいの進め方を最初から最後までで、遺品整理の進め方は実家の遺品整理の進め方で見られます。気持ちを大切にしながら、できるところから進めていきましょう。







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