当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。
子どもの頃に駆け回った廊下や、母が立っていた台所。実家じまいを前に『この家がなくなるなんて、やっぱり寂しい』と胸が詰まるのは、とても自然なことです。
実家を売ることは家族で決めたのに、いざ片付けを始めると寂しくて手が止まってしまいます。こんな気持ちのままで進めていいのでしょうか。
寂しいと感じるのは、それだけ大切な場所だったからですよね。気持ちを無理に消さなくていいんです。寂しさを抱えたまま進める方法もありますよ。
結論から言うと、実家じまいの寂しさは「急がない」「残す物を決める」「家族でお別れの時間をつくる」の3つで、ずいぶん和らぎます。この記事を読むと、寂しさとの付き合い方と、実家の売却で後悔しないために先に確かめておきたいことが分かります。
実家じまいが寂しいのは、思い出が家ごと詰まっているから
実家は、物の集まりである前に、家族の時間が積み重なった場所です。寂しさは「思い出を大事にしたい」という気持ちの表れなので、なくそうとするより、思い出の残し方を考えるほうが楽になります。
寂しさは、片付けのどの場面で強くなるかが人によって違います。自分がどこでつらくなるのかが分かると、準備のしようが見えてきますよ。
| 寂しさが強くなる場面 | 心の中で起きていること | 小さな手当て |
|---|---|---|
| 親の字が書かれたメモや手紙を見つけた | 親の存在を急に近くに感じる | 読み返す時間を別にとり、箱に分けておく |
| 自分の子ども部屋を片付ける | 自分の子ども時代とのお別れ | 部屋全体の写真を撮ってから手をつける |
| 家具がなくなり部屋ががらんとした | 家が家でなくなっていく実感 | その日は作業を早めに切り上げる |
| 売却の契約書に名前を書く | 決めてしまったことへの不安 | 家族と決めた理由を、もう一度言葉にしてみる |
| 鍵を返す日 | 帰る場所がなくなる心細さ | 最後に家の中を一回りしてお礼を言う |
例えば、台所の引き出しから母の手書きのレシピが出てきた時。『捨てられない』と思ったら、無理に決めずに「保留」の箱へ入れておけばいいんです。
寂しさと一緒に、ほっとする気持ちがあってもいい
遠方の実家に通う生活や、空き家の管理の心配から解放されると思うと、正直ほっとする。そんな自分に気づいて、『薄情なのかな』と落ち込む方もいます。
でも、寂しさと安心は一緒にあっていい気持ちです。長いあいだ実家のことを気にかけてきたからこそ、肩の荷が下りる感覚があるんですよね。
実家を売る寂しさは、人に話すと軽くなる
寂しさを一人で抱えていると、作業がどんどん重くなっていきます。兄弟や配偶者、友人に「今日は子ども部屋を片付けて、ちょっとこたえた」と話すだけでも、気持ちは少しほどけるものです。
家族の中でも、寂しさの感じ方は違います。兄は平気そうに見えても、口に出していないだけ、ということも。『自分だけが引きずっている』と思わなくて大丈夫ですよ。
兄は「早く売ってしまおう」とあっさりしていて、寂しいと言い出しにくいです。
人によって、気持ちの出し方が違うだけかもしれませんね。「売ることには賛成だけど、少し寂しい」と、賛成と気持ちを分けて伝えてみると、話しやすくなりますよ。
実家を売るのが寂しくて決められない時の考え方
『売ったら、もう二度と戻れない』。そう思うと、なかなか決断できませんよね。決められない時は、今すぐ決めることと、あとで決めてもいいことを分けてみましょう。
| 今のうちに決めたほうがいいこと | あとで決めてもいいこと |
|---|---|
| 大事な書類や貴重品を探して保管する | 家を売るか、残すか |
| 家の管理を誰がどうするか | 思い出の品を最終的にどうするか |
| 相続登記など、期限のある手続き | 売る時期 |
| 兄弟で、決める期限の目安をそろえる | 形見をどこに飾るか |
相続登記は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する決まりです。売るかどうか迷っていても、名義の手続きは先に進めておくと、あとで選べる道が広がります。
親が元気なうちなら、親の寂しさにも寄り添う
親が施設に入る、子どもの家の近くへ移るなどで実家じまいをする時は、いちばん寂しいのは親本人かもしれません。長年暮らした家を離れる気持ちは、子が想像するよりずっと重いこともあります。
「この家で一番好きな場所はどこ?」「持っていきたい物はある?」と、親に聞きながら進めてみてください。親が自分で選んだ物を新しい住まいに置くと、気持ちの切り替えがしやすくなります。親と一緒に進める整理は、親が元気なうちの実家じまいで紹介しています。
迷っている間も、家の手入れは続ける
空き家のままにしておく期間が長いと、家は傷みやすくなります。管理が行き届かず市区町村から勧告を受けると、土地の固定資産税の軽減(住宅用地の特例)が外れることもあります。
決められない間も、月に一度は窓を開けて風を通し、郵便物を確かめておくと安心です。空き家の管理の仕方は、空き家になった実家の管理で確かめられます。
期限があることも、知っておく
亡くなった親が一人で住んでいた家を相続して売る場合、空き家の3,000万円特別控除が使えることがあります。ただ、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが条件です。
『気持ちが落ち着くまで待ちたい』と思うのは当然です。そのうえで、期限のある制度もあると知っておくと、家族と「いつまでに決めようか」と話しやすくなります。
- 売りたくない理由を、紙に書き出してみる
- 書いた理由が「家そのもの」か「思い出」かを分けてみる
- 思い出が理由なら、家を手放しても残せる方法を考える
- 家そのものが理由なら、住む・貸す・残す道も調べてみる
- 兄弟と、決める期限の目安を話し合う
売る・住む・貸すのどれにするか迷う時は、実家を売るか住むか貸すかで比べてみてください。
残す物は「量」と「形」を決めて選ぶ
全部を残すことはできなくても、大事な物を少しだけ手元に置くことはできます。「箱1つ分まで」のように量を決め、写真やデータなど、かさばらない形でも残していきましょう。
実家じまいの寂しさを和らげるのは、思い出をちゃんと持ち帰れたという安心感です。物として残す方法と、物以外で残す方法があります。
物として残す
親が毎日使っていた湯のみ、父の腕時計、母の着物の帯。毎日目に入る小さな物を一つ持ち帰るだけで、実家とつながっている感覚が残ります。
兄弟がいるなら、形見分けとして一人ひとつずつ選ぶのもいいですね。形見分けの進め方は、形見分けの進め方で紹介しています。
写真や動画で残す
家具が残っているうちに、家の中を一部屋ずつ写真に撮っておきましょう。玄関から順番に歩きながら動画を撮っておくと、あとで見返した時に、家の中を歩いているような気持ちになれます。
柱に刻んだ背比べの跡や、庭の木、窓からの景色も、撮っておきたいところです。手放したあとに『あれを撮っておけばよかった』という声は少なくありません。
- 玄関と表札
- 家族が集まった居間や食卓
- 台所と、よく使われていた道具
- 自分の子ども部屋
- 柱の傷や落書きなど、家族だけの目印
- 庭や窓から見える景色
家そのものを、少しだけ持ち帰る
表札や、親が手入れしていた庭の草花を鉢に移して持ち帰る方もいます。庭木の枝を挿し木にして、自分の家で育てるという方も。
新しい持ち主に引き渡す物との区別は、契約の内容によって変わります。取り外して持ち帰りたい物があれば、売買の話が進む前に不動産会社へ伝えておきましょう。
アルバムや手紙の残し方は、実家の写真・アルバム・手紙の整理で詳しく紹介しています。

最後に家族で集まる「お別れの日」をつくる
実家を手放す前に、家族で集まる日をつくる方もいます。特別なことをしなくても、みんなで家の中を歩くだけで、気持ちに区切りがつきやすくなるんです。
『わざわざ集まるなんて大げさかな』と思うかもしれません。ただ、売却が決まると片付けや手続きに追われて、ゆっくり家と向き合う時間がとれないまま引き渡しの日を迎えることも。
- 家族の都合を合わせて、家財が残っているうちに日を決める
- 一部屋ずつ回りながら、その部屋の思い出を話す
- 家の前で、家族の写真を撮る
- 親が好きだった料理を、実家の台所で作って食べる
- 最後に家に向かって「ありがとう」と声をかける
家の間取り図を、家族それぞれの記憶で描いてみるのもおすすめです。「ここにこたつがあった」「この窓から花火が見えた」と書き込んでいくと、思い出話が自然と広がっていきます。
遠方の兄弟が集まれない時は、ビデオ通話で家の中を映しながら回る方法もあります。孫世代を連れてきて、家の思い出を話して聞かせるのもいいですね。
お世話になった近所への挨拶も、区切りになる
親が長く暮らした家なら、近所の方にもお世話になっていたはずです。両隣やお向かい、親が親しくしていた家に「長い間ありがとうございました」と伝えに行く方もいます。
親の昔の話を聞かせてもらえることもあり、それがまた、心の支えになることもあるんです。
挨拶の時に、引き渡しの時期や、それまで家の様子を見に来る日をあわせて伝えておくと、近所の方も安心してくれます。空き家の間に気づいたことがあれば連絡をもらえるよう、連絡先を渡しておく方もいますよ。
実家じまいの寂しさについて、よく届く相談
実家を手放す寂しさについては、ネットの相談サイトにもたくさんの声が寄せられています。いくつかを要約して答えますね。
父が建てた家。思い出が多すぎて、売る勇気が出ない
親が土地を探し、間取りまで考えて建てた家だと、手放すことが親を裏切るように感じてしまう方もいます。その気持ちは、親を大切に思っているからこそですよね。
ただ、誰も住まずに傷んでいく姿を見るほうが、つらくなることもあります。次に住む家族に大切にしてもらえるなら、それも家の生かし方の一つ、と考える方もいます。
祖父母の家がなくなる。孫も寂しいもの?
孫の年齢や、どれだけ祖父母の家で過ごしたかで、感じ方は変わります。たくさん遊んだ思い出があるなら、寂しく感じるのは自然なことです。
手放す前に、孫にも「最後に見ておきたい場所はある?」と聞いてみてください。一緒に写真を撮るだけでも、本人なりの区切りになりますよ。
祖父母の家で使っていた小さな物を、孫が一つ選んで持ち帰るのもいい方法です。大人になってから、その物を見て祖父母の家を思い出せるかもしれません。
帰省のたびに、家じまいや墓じまいの話が出て気が重い
お盆やお正月の帰省は、家族がそろう貴重な機会です。そのため、実家じまいの話が出やすい時期でもあります。
気が重い時は、その日のうちに全部決めようとしないのがコツです。「今日は誰が何を気にしているかを聞くだけ」と決めて話すと、気持ちの負担が軽くなります。
寂しいのは私だけかと思っていました。みんな同じように悩むんですね。
そうなんです。実家を手放す時に寂しさを感じない方のほうが、少ないくらいですよ。同じ気持ちの人がいると知るだけでも、少し楽になりますよね。
実家の売却で後悔しないために、決める前に確かめること
寂しさとは別に、実家の売却で「やってしまった」と感じやすい場面があります。先に知っておけば、防げることが多いんです。
| 後悔しやすいこと | 防ぐための一手 |
|---|---|
| 兄弟に相談せずに進めて、関係がぎくしゃくした | 売る前に、方針と売ったお金の分け方を話し合う |
| 価値のある物を、ごみと一緒に出してしまった | 処分の前に、売れる物がないか確かめる |
| 急いで1社だけに査定を頼んだ | 2〜3社に頼み、金額の根拠を聞き比べる |
| 思い出の品まで、まとめて業者に任せた | 業者に頼む前に、残す物を家族で選んでおく |
| 家の写真を撮らないまま引き渡した | 家財が残っているうちに、一部屋ずつ撮る |
兄弟での話し合いの進め方は兄弟での実家じまい、知らないうちに売られた時や名義の基本は実家を勝手に売却された・売却したい時で確かめられます。
売ると決めた理由を、言葉にして残しておく
売ったあとで寂しさがぶり返すと、『本当にこれでよかったのかな』と迷いが出てくることがあります。そんな時に支えになるのが、決めた時の理由です。
「誰も住む予定がない」「家が傷んでいくのを見るのがつらい」「兄弟の負担を減らしたい」。家族で話し合った理由を、メモやメッセージに残しておきましょう。あとで読み返すと、あの時の自分たちの判断を信じられるようになりますよ。
値打ちのある物は、手放す前に見てもらう
実家には、親が大切にしていた金の指輪や腕時計、着物、古い切手や記念硬貨などが眠っていることがあります。思い出として残す物を選んだあとは、残りの中に値段がつく物がないか、処分の前に買取店で確かめておきましょう。
親の品が次の持ち主に大切に使われると思うと、手放す寂しさが少し和らぐ方もいます。売れたお金を、家族で集まる食事や、仏壇の手入れにあてるのもいいですね。
PR|遺品・実家の品の買取
捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
どんな物に値段がつきやすいかは実家の片付けで売れるもの一覧、どこで売るかは実家の品はどこで売る?で比べられます。
相続放棄を考えている人が家財を売ったり捨てたりすると、相続を認めたとみなされるおそれがあります。片付けや売却の前に、家庭裁判所や弁護士に相談してください。
手放したあとの寂しさと、どう付き合うか
鍵を返して、すべてが終わったあと。ほっとすると同時に、ぽっかり穴があいたような気持ちになる方も多いはずです。
売ってから半年たつのに、ふと実家の近くを通ると胸が苦しくなります。
それだけ大事な場所だったということですよね。寂しさは時間と一緒に形を変えていきます。無理に忘れようとしなくていいんですよ。
家の記録を、一冊にまとめておく
撮りためた家の写真や、間取り図、親の手書きのメモなどを、一冊のアルバムやノートにまとめておく方もいます。家族で集まった時に開けば、自然と実家の話ができるんです。
データで残した写真は、兄弟や親族とも共有しておきましょう。「あの家のこと、覚えてる?」と話せる相手がいることが、寂しさを和らげてくれます。
寂しさがこみ上げた時は、撮っておいた家の写真を家族で見返したり、親の好きだった花を飾ったりしてみてください。思い出を話せる相手がいるだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
寂しさに加えて、体も気持ちもくたくたになっている時は、一人で抱え込まないことが大切です。疲れない進め方や頼り方は、実家の片付けがつらい・大変な時にまとめています。
実家じまいは、家を手放すだけでなく、家族の歴史に区切りをつける作業でもあります。全体の流れは、実家じまいとは?やることの順番で確かめてみてください。

よくある質問
実家じまいが寂しくて、片付けが進みません。どうすればいいですか?
寂しさを無理に消そうとせず、つらくなりにくい場所から始めてみてください。玄関や物置など思い出の少ない場所から手をつけ、思い出の多い部屋は最後に回すと進めやすくなります。
実家を売ったことを後悔しないか不安です。
兄弟と話し合って決めること、残す物を選んでおくこと、家の写真を撮っておくことで、後悔はかなり減らせます。決める前に、売る理由を言葉にしておくのもおすすめです。
寂しいので、売らずに残しておくのはだめですか?
だめではありません。ただ、誰も住まない家は管理が要り、固定資産税もかかり続けます。残すなら、誰がどう管理するかを家族で決めておきましょう。
実家の売却が決まったあと、最後に家に入れるのはいつまでですか?
引き渡しの日までは自分たちの家なので、片付けやお別れに使えます。引き渡しのあとに入りたい場合は買主の了解が要るので、心残りがないよう引き渡し前に時間をとっておきましょう。
親の物を処分することに罪悪感があります。
大切な物を選んで残し、ほかの物は次に使ってくれる人へ渡すと考えると、気持ちが軽くなる方もいます。処分する前に「ありがとう」と声をかけるのも、一つの区切りになります。
まとめ
- 実家じまいが寂しいのは自然なこと。無理に気持ちを消さなくていい
- 決められない時は、今決めることとあとで決めることを分ける
- 残す物は量を決めて選び、家の中は写真や動画で残しておく
- 手放す前に、家族で集まるお別れの日をつくる
- 実家の売却で後悔しないよう、兄弟との話し合いと売れる物の確認を先に
寂しさは、あなたが実家と家族を大切にしてきた証です。その気持ちを抱えたままでも大丈夫。自分のペースで、少しずつ進めていってくださいね。







コメント