当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。
片付けのついでに権利証を見つけたら、名義が亡くなった父のまま。もっと古い祖父の名前が書いてあった、ということもありますよね。
実家の登記を調べたら、名義が10年前に亡くなった父のままでした。母も私もずっと気にせず暮らしてきたのですが、まずいのでしょうか。
今すぐ住めなくなるわけではないので、落ち着いて大丈夫です。ただ、売る時や次の相続の時に困ることがあるので、今のうちに名義を整えておきましょう。
結論から言うと、実家の名義が親のままでも、親が健在なら多くの場合は問題ありません。困るのは「親が亡くなったのに名義が親のまま」の時です。この記事では、ケースごとに困ることと、名義を変える手順が分かります。
名義が親のままでも、困る時と困らない時がある
親が生きていて住所も変わっていなければ、名義が親のままなのは自然なことです。親が亡くなっている、親が引っ越して住所が古いまま、名義が祖父母のまま、のどれかに当てはまる時は手続きが要ります。
「名義が親のまま」と一口に言っても、状況はいくつかに分かれます。まずは自分の家がどれに近いか、表で確かめてみてください。
| 登記簿の状態 | 困ること | 最初にやること |
|---|---|---|
| 健在の親の名義で、住所も今のまま | 特になし | 親が元気なうちに、家の今後を話しておく |
| 健在の親の名義だが、親が引っ越して住所が古い | 住所の変更登記が義務になった | 親に住所の変更登記を勧める |
| 亡くなった親の名義のまま | 売れない、相続登記の義務がある | 相続人と遺産分割を話し合い、相続登記をする |
| 祖父母の名義のまま | 相続人が増えて話がまとまりにくい | 戸籍で今の相続人をすべて洗い出す |
| 両親の共有で、片方が亡くなった | 亡くなった方の持ち分だけ名義が古い | 亡くなった親の持ち分について相続登記をする |
自分の家の名義がどうなっているかは、法務局で登記事項証明書を取ると分かります。権利証だけでは、その後の変更が分からないこともあるので、一度確かめておくと安心です。

亡くなった親の名義のまま放っておくと、どうなる?
『住めているんだから、名義なんてどうでもいいんじゃない?』と思う方もいるはずです。ところが、放っておくと困る場面がいくつかあるんです。
実家を売ることができない
家を売る時は、買う人へ名義を書き換えます。名義が亡くなった親のままだと、その書き換えができません。
売ると決めてから慌てて相続登記を始めると、戸籍集めや兄弟との話し合いに時間がかかり、買い手を待たせてしまうことも。売るかもしれないなら、早めに名義を整えておきましょう。
相続登記の期限と過料がある
令和6年4月1日から相続登記は義務になり、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記する決まりです。義務化の前に亡くなった親の家も対象で、その場合は令和9年3月31日までが期限です。
正当な理由なく登記しないと、10万円以下の過料の可能性があります。期限や手続きの詳しい中身は相続登記の義務化で何が変わる?で紹介しています。
時間がたつほど、相続人が増えていく
これがいちばん大きな問題かもしれません。名義を変えないうちに兄弟の誰かが亡くなると、その人の配偶者や子が話し合いに加わることになります。
例えば、父の名義のまま兄が亡くなったとします。すると、兄の代わりに兄の妻や子どもとも話して、印鑑をもらう必要が出てくるんです。
「母が元気なうちは母に任せておけばいい」と後回しにしていたら、母が亡くなり、父と母の二人分の相続を一度に片付けることになった。そんなケースは少なくありません。片方の親が亡くなった時点で、名義の話も一緒に進めておくと楽です。
兄弟の仲はいいので、揉めることはないと思うんですが。
仲がいい今のうちに済ませるのが、いちばん簡単なんです。代替わりして甥や姪まで加わると、話は急に難しくなりますよ。
祖父母の名義のままだった時の進め方
名義が祖父母のままの家は、相続が二重、三重に重なっています。祖父母から親へ、親から自分たちへと、一つずつ名義をたどって直していきます。
- 登記事項証明書で、名義人と土地・建物の範囲を確かめる
- 祖父母の生まれてから亡くなるまでの戸籍を集める
- 祖父母の相続人と、その後に亡くなった人の相続人をすべて洗い出す
- 今生きている相続人の全員で、誰が実家を継ぐか話し合う
- 話し合いの内容を書面にし、全員の署名と実印をもらう
- 法務局に相続登記を申請する

『会ったこともない親戚まで相続人に?』と驚くほど、相続人が大勢になることもあります。祖父母名義の場合は、司法書士に相談するのが現実的です。戸籍集めから相続人の確定までを任せるだけでも、負担はずいぶん減ります。
登録免許税がかからない場合がある
祖父母名義の土地には、税金の面で知っておきたいことがあります。土地を相続した人が相続登記をしないまま亡くなった場合、その人を名義人にするための登記は、令和9年3月31日まで登録免許税が免除されるんです。
例えば、祖父の土地を父が相続したのに登記しないまま父が亡くなった場合、「祖父から父へ」の登記がこれに当たります。また、価額が100万円以下の土地の相続登記も免除の対象です。
免除を受けるには、申請書に根拠となる条文を書く必要があります。対象は土地とされているので、建物も含めてどうなるかは法務局や司法書士に確かめてみてください。
生きている親の名義でも、住所が古いままなら登記が要る
親が健在でも、見落としやすいのが住所です。親が施設に入ったり、子の家の近くに引っ越したりして、登記簿の住所が実家のままになっていることがありますよね。
令和8年4月1日から、登記簿の住所や氏名が変わった時は、変更の日から2年以内に登記する義務ができました。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の可能性があります。義務化より前に変わった住所も対象で、その場合の期限は令和10年3月末です。
法務省は、住所の変更登記がされていないことが、持ち主の分からない土地が生まれる原因の約3分の1を占めるといわれていると案内しています。親の住所が変わったなら、早めに手続きしておきたいところです。
かんたんな手続きを一度しておけば、その後は法務局が住所などの変更登記をしてくれる「スマート変更登記」という仕組みもあります。親が自分で動きにくい時は、こうした方法も法務局で聞いてみてください。
実家の名義について、よく届く相談
名義が親のまま、あるいは祖父母のままという相談は、ネットの相談サイトにもよく寄せられています。いくつかを要約して答えますね。
祖父名義の土地。祖父も父も亡くなっていて、相続人は自分を含め3人
祖父が20年ほど前に、父が数年前に亡くなり、名義は祖父のまま。相続人は自分を含めて3人で、費用がどれくらいかかるか知りたい、という相談です。
このケースでは、祖父から父、父から今の相続人へと、二段階の相続を整理することになります。祖父から父への登記は、条件に当てはまれば登録免許税が免除されます。
費用は、土地の評価額にかかる登録免許税(0.4%)と戸籍などの取得費、司法書士に頼むならその報酬です。報酬は事務所ごとに違うので、見積もりを取って比べてみてください。
遠方にある父の生家。名義は父で、家は傷んできている
住まいから遠く離れた場所に、父名義の生家がある。誰も住んでおらず、これからどうすればいいか、という相談です。
父が健在なら、名義人である父が売るか残すかを決めます。子だけで勝手に売ることはできないので、まずは父の考えを聞いてみましょう。
父が亡くなっているなら、相続人で話し合って相続登記をしてから、売る・解体する・残すを考えます。誰も住まない空き家は傷みやすいので、名義の手続きと並行して管理の段取りもつけておきたいですね。
名義は母と私と妹の3人。母は健在だけど、家を処分したい
家が3人の共有名義なら、売る時は3人全員が売主になります。誰か一人の判断だけでは、家全体を売ることはできません。
母が健在なら、母の気持ちと暮らしの見通しを最初に確かめましょう。母が自分で判断するのが難しくなっている場合は、家庭裁判所の成年後見の手続きが関わることもあるので、親が自分で判断できない時の実家売却も参考にしてみてください。
名義の手続きと並行して、家の中も少しずつ
名義を変える準備には時間がかかります。書類を待っている間に、家の中の物を少しずつ見ておくと、売る・残すの判断がしやすくなります。
権利証や固定資産税の通知を探していると、古い指輪や腕時計、記念硬貨などが出てくることがあります。親が亡くなっているなら、こうした物も相続人みんなの財産なので、兄弟に伝えてから扱いを決めましょう。
『古い物だから、どうせ値段はつかない』と決めつけて捨てるのはもったいないことも。処分する前に、一度査定で値打ちを確かめてみてください。
PR|遺品・実家の品の買取
捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
どんな物に値段がつきやすいかは実家の片付けで売れるもの一覧、売り先の選び方は実家の品はどこで売る?で紹介しています。兄弟で実家をどう分けるかは遺産分割と実家、相続税がかかるかどうかは実家を相続したら相続税はかかる?、実家じまい全体の順番は実家じまいとは?やることの順番で確かめられます。
よくある質問
実家の名義が親のままか、どうやって確かめればいいですか?
法務局で実家の登記事項証明書を取ると、今の名義人と住所が分かります。権利証が見つからない時も、どう請求すればいいか法務局の窓口で相談できます。
親が健在のうちに、名義を子に変えておいた方がいいですか?
親が健在なら、名義が親のままでも困ることは多くありません。生前に名義を変えるかどうかは税金の扱いも関わるので、考えている場合は税理士や司法書士に相談してから決めましょう。
名義が親のままでも、固定資産税は払い続けていいのですか?
固定資産税は、毎年1月1日時点で登記簿などに載っている所有者に課税されます。親が亡くなった後の納付書の届け先や払い方は、市区町村の固定資産税の窓口で確かめておきましょう。
祖父母名義の家は、自分で相続登記できますか?
できなくはありませんが、相続人が多くなりやすく、戸籍集めにも時間がかかります。まずは司法書士に相談し、どこまで自分でできそうか見てもらうと安心です。
まとめ
- 健在の親の名義で住所も同じなら、名義が親のままでも問題ない
- 亡くなった親の名義のままでは、実家を売ることができない
- 相続登記は義務。義務化前の相続は令和9年3月31日まで
- 放っておくほど相続人が増えるので、名義は早めに整える
- 祖父母名義は、相続登記しないまま亡くなった人の登記が免税になることがある
- 親が引っ越していたら、住所の変更登記も2年以内に
名義のことは、気づいた時がいちばんの始めどきです。まずは登記事項証明書を1通取って、今の状態を家族で共有してみてください。







コメント