当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。
親が大切にしていた物を前にすると、『これを売ってしまうなんて、親不孝じゃないかな』と胸がちくりとしますよね。そう感じるのは、それだけ大事に思っている証拠です。
母の遺品の整理をしています。指輪やバッグが出てきたのですが、売ってしまうのは悪いことのような気がして、手が止まっています。
その迷いは、とても自然なものです。遺品を売ることは悪いことではありません。使われずにしまわれるより、価値を分かる人の手に渡るという考え方もあるんですよ。
結論から言うと、遺品を売る時は「家族の了解を取る」「残す物を先に決める」「売る物は準備してから査定に出す」の3つを押さえておけば、後悔はぐっと減ります。この記事では、気持ちの整理の仕方と、相続人どうしで確かめること、売り先の選び方、買取に出す前の準備が分かります。
遺品を売るのは悪いこと?迷う気持ちとの向き合い方
遺品を売ることに、正解も不正解もありません。大切なのは、家族が納得したうえで、自分の気持ちに区切りをつけて手放すことです。
遺品を手放す時に感じる罪悪感には、いくつかの形があります。どれに近いかが分かると、少し気持ちが軽くなることも。
| よくある気持ち | こんなふうに考えてみる |
|---|---|
| 親の思い出を売るようで申し訳ない | 思い出は物ではなく、記憶や写真にも残せる |
| 親族にどう思われるか気になる | 先に相談しておけば、責められる理由はなくなる |
| 安く手放したら後悔しそう | 査定を受けてから決めればいい。売らない選択もできる |
| まだ気持ちの整理がつかない | 急がない物は、時期をずらしても構わない |
例えば、母が使っていたバッグを「使わずにしまっておくより、誰かに使ってもらえたら母も喜ぶかも」と考える方もいます。そう思えた時が、手放すタイミングなのかもしれません。
親戚から「形見を売るなんて」と言われそうで、気が重いです。
売る前に「この中で欲しい物はありますか」と一度聞いておくと安心ですよ。形見分けを済ませてから売る順番にすれば、気まずくなりにくいんです。
決めきれない時は、査定だけ受けてみる
『売るかどうかは、値段を聞いてから決めたい』。そう思うのは、まったくおかしなことではありません。
おたからやは、査定料やキャンセル料はかからず、見積もりだけでも受け付けると案内しています。金額を聞いてから家族と相談し、売らずに持ち帰る選択もできるんです。
親が生前に話していたことを思い出してみる
「この指輪は、いずれあなたに」「着物は誰か着てくれる人に」。親が元気だった頃の何気ない言葉が、手放し方のヒントになることがあります。
兄弟で思い出を出し合ってみると、意外な希望が分かることも。親の気持ちに沿った形で手放せると、罪悪感はずっと小さくなりますよ。
売る・残す・形見分け、3つに分けるコツ
遺品をすべて売る必要も、すべて残す必要もありません。まずは「残す」「形見分けする」「売る」の3つに分けてみましょう。
- 自分が手元に置きたい物を、数を決めて選ぶ
- 兄弟や親族に欲しい物を聞き、形見分けする物を決める
- 残りの中から、値段がつきそうな物を売る候補にする
- どこにも行き先がない物は、感謝を込めて処分する
行き先がない物を手放す時は、「ありがとう」と声をかけてから袋に入れる方もいます。小さな区切りの言葉があるだけで、気持ちの負担は少し軽くなるものです。
「手元に置くのは箱1つ分まで」のように量を決めておくと、選ぶ手がスムーズに進みます。形見分けの進め方や時期は、形見分けの進め方で詳しくまとめています。
迷う物は、写真に撮ってから手放す
『手放したあとで、やっぱり見たくなったらどうしよう』。そんな不安がある物は、売る前に写真を撮っておきましょう。
親が身につけていた姿を思い出せる物なら、写真が一枚あるだけでも気持ちの支えになります。アルバムのように一冊にまとめておくと、兄弟で見返すこともできますね。

遺品を売る前に、相続人どうしで確かめること
ここは、気持ちの問題とは別に、とても大事なところです。親が亡くなったあと、遺品は相続人みんなの財産になります。
民法では、相続人が数人いる場合、相続した財産はみんなの共有になるとしています。遺産の分け方は、相続人の話し合い(遺産分割協議)で決めるのが基本です。
- 相続人が誰で、何人いるかを確かめた
- 兄弟など相続人全員に、売ってよいか了解をもらった
- 形見として欲しい物がないか、先に聞いた
- 売ったお金をどう分けるか、話し合った
- 相続放棄を考えている人がいないか確かめた
相続人の中に、親の介護を担ってきた人や、実家の近くに住む人がいることもありますよね。その人の思いも聞きながら進めると、話し合いがやわらかくなります。
一人で決めて売ってしまうと、あとから「勝手に売った」と言われてしまうことも。了解はLINEやメールなど、記録が残る形でもらっておくと安心です。
相続放棄を考えている時に遺品を売ったり捨てたりすると、相続を認めたとみなされるおそれがあります。どこまでが許されるかの線引きは事案によるので、売る前に家庭裁判所や弁護士に相談してください。放棄と片付けの関係は、相続放棄するなら実家の片付けはどうする?で確かめられます。
遺言書やエンディングノートも、先に探しておく
親が遺言書やエンディングノートを残していて、品物の行き先が書かれていることもあります。売ったあとで見つかると、家族の気持ちがすれ違う原因になりかねません。
机の引き出しや仏壇、金庫など、大事な物をしまいそうな場所を先に確かめておきましょう。見つかった時の扱いは、法務局や司法書士、弁護士などに相談すると安心です。
現金や通帳、権利証は、売る物と分けておく
遺品の整理では、引き出しや箱の中から現金や通帳、不動産の権利証が出てくることもあります。これらは売る物とは別に、相続の手続きで扱う大事な書類や財産です。
見つけたら1か所にまとめ、相続人みんなに知らせておきましょう。「見つけた物はすべて共有する」と決めておくと、兄弟の間で疑いが生まれにくくなります。
遺品を売ったお金と、相続税の関係
遺品の貴金属やブランド品も、相続した財産の一部です。相続税がかかるかどうかは、遺産全体が基礎控除額を超えるかどうかで決まります。
| 確かめること | 国税庁の決まり |
|---|---|
| 基礎控除額 | 3,000万円+600万円×法定相続人の数 |
| 申告が必要な場合 | 遺産の合計が基礎控除額を超える時 |
| 申告と納税の期限 | 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 |
| 提出先 | 亡くなった人の住所地を所轄する税務署 |
例えば法定相続人が2人なら、基礎控除額は4,200万円です。3人なら4,800万円になります。この範囲内なら、相続税の申告も納税も要りません。
法定相続人の数は、相続放棄をした人がいても、放棄がなかったものとして数えます。
遺品を売ったかどうかに関わらず、遺産全体で考えることになります。自分の家の場合はどうなるか、迷ったら税務署か税理士に聞いてみましょう。相続税の基本は実家を相続したら相続税はかかる?で確かめられます。
遺品を売ることについて、よく届く相談
遺品を売ることへの迷いは、ネットの相談サイトにもたくさん寄せられています。いくつかを要約して答えますね。
義母からもらった貴金属を売るのは、よくないこと?
遺品として受け取った物なら、どう扱うかは受け取った人が決めて構いません。ただ、配偶者やその兄弟の気持ちも大切にしたいところです。
売る前に「使う機会がないので、手放そうと思う」と一言伝えておくと、あとで気まずくなりにくいですよ。貴金属の売り方は遺品の金・貴金属・宝石の売り方で詳しく紹介しています。
フリマアプリで遺品を売る人もいるの?抵抗はない?
フリマで遺品を売る人もいます。故人が大切にしていた物を、次に大切にしてくれる人へ直接つなげられる、という考え方です。
一方で、知らない人とのやり取りや発送に気持ちが疲れてしまうことも。自分に合うかどうかは、遺品や実家の物をメルカリで売る?で買取店との違いを比べてみてください。
預けていた遺品を、親族が売ってしまっていた
誰の物かがあいまいなまま預けると、こうした行き違いが起きやすくなります。まずは当事者どうしで、誰がいつ何を預かったのかを落ち着いて確かめましょう。
話し合いで解決しない時は、弁護士や消費生活センターなどに相談する方法もあります。これから預ける時は、品物の写真と一覧を残しておくのがおすすめです。
出張で来てもらう買取は、ちゃんとした金額をつけてもらえるのか不安です。
その不安はもっともですよね。1社だけで決めずに、金額の理由を聞いて納得してから売ればいいんです。出張買取には、法律で決まったルールもありますよ。
遺品の売り先と、それぞれの向き不向き
遺品の売り先は、品物の種類だけでなく、自分の気持ちや使える時間でも選んでいいんです。
| 売り先 | 遺品で向いている場面 | 気になりやすい点 |
|---|---|---|
| 買取店に持ち込む | 指輪や時計など、持ち運べる物を目の前で見てほしい | 店まで行く時間がいる |
| 出張で来てもらう | 量が多い、遠方の実家で運べない | 家に人を入れる準備がいる |
| 写真で査定を頼む | 売るかどうか、まだ決めきれない | おおよその目安になる |
| フリマアプリ | 次の持ち主に直接渡したい | 説明・発送・やり取りの手間 |
| リサイクルショップ | 家具や日用品をまとめて手放したい | 貴金属などの専門的な査定は向かないことも |
どれか1つに決める必要はありません。思い入れのある物はフリマで次の持ち主を探し、量の多い物は出張でまとめて見てもらう。そんな組み合わせ方もあります。
気持ちが疲れている時は、やり取りの少ない売り方を選ぶのも立派な判断です。自分の心と時間に無理のない方法を選んでくださいね。
金や貴金属、時計、古銭、骨董品のように価値を見極めにくい遺品は、専門の査定士がいる買取店に見てもらうと安心です。
おたからやは、出張査定について「ご実家の整理などは出張査定がおすすめ」と案内していて、遺品の整理や終活についての相談にも応じるとしています。出張料・査定料・買取手数料はかからず、社名やロゴの入っていない車で訪問するそうです。
PR|遺品・実家の品の買取
捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる
金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。
査定料無料公式サイトで査定方法を確認する買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
ブランドのバッグや腕時計が多いなら、遺品買取の案内ページがあるブランドリバリューも選択肢になります(2026年10月時点の公式情報。最新の条件は公式サイトで確認してください)。着物や和装小物の遺品は、遺品の着物の売り方も参考にしてみてください。
1社で決めず、金額の理由を聞いてから売る
査定の金額に納得できなければ、その場で売らなくても構いません。おたからやの店頭査定は、提示した金額に納得した場合だけ買い取ると案内しています。
金額を聞いたら、「どこを見てこの金額になったのか」を尋ねてみてください。素材や状態、付属品のどこが評価されたのかが分かると、ほかの店と比べる時にも役立ちます。
家で査定を受ける時に、決めておきたいこと
出張で来てもらう時は、査定してほしい遺品だけを一つの部屋に並べておくと安心です。売るつもりのない物は、別の部屋にしまっておきましょう。
消費者庁は、査定を頼まれただけなのに、査定を超えて勧誘することは特定商取引法に触れると説明しています。頼んだ物以外の買取をすすめられたら、はっきり断って大丈夫ですよ。
家に来てもらう出張買取は、特定商取引法の「訪問購入」にあたります。契約の書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができ、その間は品物の引き渡しを断れます。困った時は消費者ホットライン188へ相談できます。
家に来てもらう時の段取りは、実家の品の出張買取で確かめてみてください。
買取に出す前の準備
売ると決めた遺品は、少し準備してから査定に出すと話がスムーズです。付属品の有無で査定が変わる物もあります。
- 相続人全員の了解をもらい、記録を残しておく
- 箱・保証書・鑑定書・証紙など、付属品を探して一緒にする
- 汚れは乾いた布で軽く拭く程度にとどめる
- 品物の写真を撮り、一覧のメモをつくる
- 自分の本人確認書類を用意する
- 査定の結果と買取の明細を、相続人に共有する
付属品は、品物によって大事な物が違います。時計なら箱や保証書、宝石なら鑑定書や鑑別書、着物なら証紙です。見つからなくても売れないわけではないので、探しきれない時はそのまま査定に出してください。
本人以外が売る場合や、金額が大きい場合は、委任状などの書類が必要になることがあります。例えばまねきやは、本人以外からの依頼で売却金額が200万円を超える場合、委任状や依頼を受けた人と所有者の身分証明書のコピーが必要だと案内しています。
遠方の兄弟とも、査定の場を分かち合う
兄弟が遠くに住んでいると、「知らないうちに売られた」と感じさせてしまうこともあります。査定の日を事前に伝え、品物の写真や査定の結果をその日のうちに送っておきましょう。
スマホのビデオ通話でつないで、一緒に品物を見てもらう方法もあります。その場で意見を聞けるので、あとから話がこじれにくくなりますよ。
準備の詳しい内容は、実家の品を売る前の準備で確かめられます。どの遺品に値段がつきやすいかは、実家の片付けで売れるもの一覧で見分け方をまとめています。

手放したあとに、心を軽くする工夫
遺品を売ったあと、ふとした時に寂しさがこみ上げてくることもあります。それは、気持ちがちゃんと動いている証拠なんです。
売ると決めたのは自分なのに、手放したあとで落ち込んでしまいました。
そういう日があって当然ですよ。売ったお金の使い道を決めておくと、気持ちに区切りがつきやすくなります。
売ったお金で家族そろって食事をする、親の好きだった花を飾る、お墓や仏壇の手入れにあてる。そんなふうに使い道を決めておくと、「手放した」ではなく「つないだ」と感じやすくなります。
売らずに残した物は、使える形にしておく
手元に残すと決めた遺品は、しまい込まずに目に入る場所へ置いてみてください。指輪を自分のサイズに直して身につける、着物を仕立て直して小物にするなど、使う形に変える方もいます。
使われている遺品は、思い出を毎日そばに感じさせてくれます。「残す」も「売る」も、親の物を大切にする方法の一つなんです。
無理に今すぐ決めなくても大丈夫です。売るかどうか迷う遺品は、しばらく手元に置いてから考えても構いません。実家じまいの寂しさとの向き合い方は、実家じまいが寂しい・つらい時にもまとめています。
手放した物の写真や、親とのエピソードをノートに書き留めておくのもおすすめです。物はなくなっても、記憶はそのまま残しておけます。
遺品の整理は、実家じまい全体の一部です。家や家財をどう手放していくかまでの流れは、実家じまいとは?やることの順番で確かめられます。
よくある質問
遺品を売るのは、いつからがいいですか?
決まった時期はありません。区切りの法要や形見分けを済ませてから、と考える方もいます。どの時期でも、相続人の了解が取れていることが前提です。
遺品を一人の判断で売ってもいいですか?
親が亡くなったあとの遺品は、相続人みんなの財産です。兄弟など相続人全員の了解をもらってから売りましょう。相続放棄を考えている人がいる時は、先に家庭裁判所や弁護士に相談してください。
遺品を売ったら、税金はかかりますか?
相続税は、遺品を含めた遺産全体が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える時に申告が必要です。個別の判断は税務署や税理士に確かめてください。
壊れた遺品でも売れますか?
金やプラチナは、壊れていても素材として値段がつくことがあります。動かない時計なども、捨てる前に一度査定してみましょう。
遺品を売る時に必要な物は何ですか?
本人確認書類が基本です。本人以外が売る場合や金額が大きい場合は、委任状などが必要になることがあるので、買取店に事前に確かめておきましょう。
まとめ
- 遺品を売ることは悪いことではなく、家族が納得していれば後悔しにくい
- 残す・形見分け・売るの3つに分けてから、売る物を決める
- 売る前に、相続人全員の了解をもらい記録を残す
- 相続放棄を考えている時は、売る前に家庭裁判所や弁護士へ
- 付属品と本人確認書類をそろえ、査定の結果は家族に共有する
親が残してくれた物をどう手放すかに、決まった答えはありません。あなたと家族が「これでよかった」と思える形を、ゆっくり探してみてくださいね。







コメント