空き家の売却の進め方|どこに相談するか・売り方と高く売る準備

空き家の売却の進め方を表すイラスト

当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。

親が施設に入ったり亡くなったりして、実家が空き家のままになっている。そろそろ空き家の売却を考えたいけれど、何から始めればいいのか分からない方も多いはずです。

実家を片付ける人

実家が空き家になって2年ほど経ちます。売りたい気持ちはあるんですが、どこに相談すればいいのかも分からなくて。

案内役

最初の相談先は、実家のある地域の不動産会社で大丈夫です。ただ、その前に名義と家の中の状態を確かめておくと、相談がぐっと具体的になりますよ。

結論から言うと、空き家の売却は「名義の確認、査定、売り方を決める、片付け、売り出し」の順で進めます。この記事では、相談先の選び方から売った後の税金まで、実家の空き家を売る方法を順番に紹介します。

目次

空き家の売却は、どこに相談する?

相談先は悩みごとに分かれます

売る話そのものは不動産会社へ。名義のことは法務局や司法書士、税金は税務署や税理士、地域の空き家の制度は市区町村に聞きます。最初の窓口を一つに絞らなくて大丈夫です。

空き家を売る時の悩みは、売る相手探しだけではありません。名義や税金、家の中の物の片付けなど、いくつもの話が同時に出てきます。

悩みごと相談先こんなふうに聞く
いくらで売れそうか、どう売るか不動産会社「この家と土地を売りたいので、査定をお願いできますか」
名義が親のまま法務局、司法書士「父名義の家を相続したので、名義を変えたい」
売った後の税金税務署、税理士「相続した空き家を売る予定で、使える特例を知りたい」
空き家バンクや地域の支援市区町村の空き家担当「空き家バンクに登録したいのですが、条件を教えてください」
兄弟で話がまとまらない家庭裁判所、弁護士「遺産分割の話し合いがつかない」

不動産会社は、実家のある地域に詳しいところを選ぶのが基本です。1社だけでなく複数社に査定を頼み、説明の分かりやすさや売り方の提案を比べてみてください。

『不動産会社に相談したら、すぐ売らないといけないのでは』と身構える方もいますよね。査定を頼んだだけで売る義務が生まれるわけではないので、まずは話を聞くつもりで大丈夫です。

相談の前に手元にそろえておきたいもの

不動産会社に相談する時は、次の物があると話が早く進みます。全部そろっていなくても相談はできるので、見つかった物から用意してみてください。

  • 登記事項証明書(法務局で取得できる)
  • 固定資産税の納税通知書と課税明細
  • 間取りが分かる図面や、建てた時の書類
  • 権利証または登記識別情報
  • 家の鍵(訪問査定で中を見てもらう時)

相談の場では、聞きたいことを先に伝えておくと、こちらの知りたい話をしてもらいやすくなります。例えばこんな聞き方です。

「仲介で売る場合と、買い取ってもらう場合の、両方の考え方を教えてもらえますか」

「家財が残ったままでも売り出せるかどうかも知りたいです」

査定の受け方は実家・空き家の査定の受け方で詳しく紹介しています。

空き家を売る方法は3つ

実家を片付ける人

空き家を売るって、不動産会社に任せる以外にも方法があるんですか?

案内役

はい、大きく分けると「仲介」「買取」「空き家バンク」の3つがあります。早く手放したいのか、少しでも高く売りたいのかで、向いている方法が変わるんです。

売り方買う人進み方の特徴家財が残っている時
仲介不動産会社が探した一般の買い手買い手が見つかるまで待つ。価格は相場に近づきやすい片付けてから売り出すことが多い
買取不動産会社買い手を探す期間がなく、話がまとまれば早いそのままの状態で相談できることがある
空き家バンク自治体のサイトを見た人(移住希望者など)地域に住みたい人に届く。流れは自治体ごとに違う家財込みで出している物件もある

一般的には、仲介はじっくり、買取は早く、空き家バンクは地方の家を地元に住みたい人へ、というイメージです。どれが正解ということはなく、家の状態と家族の事情で選びます。

例えば、駅に近い住宅地の家なら仲介で買い手が見つかりやすいことがあります。山あいの集落の家なら、空き家バンクで移住したい人に届けるほうが合っていることもあります。

空き家の売買の流れ

仲介で売る場合、空き家の売買はおおむね次のように進みます。

空き家を売る方法(仲介の場合)
  1. 登記事項証明書で名義を確かめ、必要なら相続登記をする
  2. 複数の不動産会社に査定を頼み、売り方と価格の提案を比べる
  3. 不動産会社を決めて媒介契約を結ぶ
  4. 家の中を片付けて売り出し、内見に対応する
  5. 買い手と売買契約を結び、代金を受け取って引き渡す

空き家バンクの場合は、市区町村に登録を申し込み、物件の情報が自治体のサイトに載ります。問い合わせが来てからの交渉や契約の進め方は自治体ごとに違い、地元の不動産会社が間に入る地域もあります。

買取の場合は、2の査定の後に不動産会社と直接価格を話し合い、まとまれば売買契約に進みます。違いは空き家の買取とは?仲介との違いで紹介しています。

空き家の売却を任せる不動産会社の選び方

空き家の売却でおすすめの会社はどこか、と聞かれることがありますが、実家のある地域や家の条件で合う会社は変わります。だからこそ、複数社に話を聞いて比べるのがいちばん確かな方法なんです。

比べる時は、査定額の高さだけで決めないことがポイントです。高い査定額を出してもらっても、その価格で売れるとは限りません。

不動産会社の話を聞く時に見ておきたいこと
  • 査定額の根拠を、近くの取引例などで説明してくれるか
  • 空き家や古い家を売った経験があるか
  • 家財や境界など、空き家ならではの悩みに答えてくれるか
  • 売り出した後、どのくらいの間隔で報告をくれるか
空き家の売却を進める順番を示した図解

空き家を高く売るために、売る前にしておきたいこと

高く売るコツは「買い手の不安を減らす」こと

空き家は、買う人から見ると分からないことが多い家です。名義・境界・家の状態を先にはっきりさせておくと、値下げの交渉を受けにくくなります。

空き家を高く売るといっても、特別な裏技があるわけではありません。買い手が安心して決められる材料をそろえることが、結果的に価格を守ることにつながるんです。

売り出す前に整えておきたいこと
  • 相続登記を済ませ、売る人の名義にしておく
  • 隣の土地との境界の目印を確かめ、分からなければ測量を相談する
  • 建てた年が分かる書類(登記事項証明書や建築時の書類)を用意する
  • 家の中の物を減らし、部屋の広さが伝わるようにする
  • 換気や通水、草刈りをして、傷みを進ませない
  • 雨漏りなど分かっている傷みを書き出し、不動産会社に伝える

相続登記は、売る前に終わらせる

親の名義のままでは、空き家を売ることはできません。相続した人の名義に変える相続登記が先に要ります。

相続で家を取得したと知った日から3年以内に、相続登記を申請する義務があります。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。

簡単な手続きの相続人申告登記もありますが、こちらは売却には使えません。売る時は別に相続登記をすることになるので、司法書士や法務局に相談しながら進めましょう。

手順は実家の相続登記の義務化で紹介しています。

空き家の管理を続けておく

売れるまでの間も、空き家は傷みが早く進みます。国の指針でも、定期的な換気や通水、庭木の手入れなどが勧められています。

内見の時に草が伸び放題だったり、カビのにおいがしたりすると、印象が下がってしまいます。売り出し中こそ、月に一度は窓を開けて空気を入れ替えておきたいところです。遠方で通えない時は、管理を頼める先も探しておきましょう。

家財は残したまま売る?片付けてから売る?

『空き家バンクを見ると、家財が残ったまま売りに出ている家もあるけど、それでもいいの?』という疑問もよく聞きます。結論から言うと、どちらもあり得ますが、売り方によって向き不向きがあります。

片付けてから売る
  • 内見で広さや状態が伝わりやすい
  • 一般の買い手に選ばれやすくなる
  • 片付けの手間と費用は先にかかる
家財を残したまま売る
  • 片付けの手間をかけずに売り出せる
  • 買い手が見つかりにくくなることがある
  • 処分を買い手が引き受ける分、価格の話し合いに影響しやすい

家財を残したまま売るかどうかは、売り方と買い手の考え方次第です。買取や空き家バンクでは「家財込みでよい」と言ってもらえることもあるので、不動産会社や市区町村に聞いてみてください。

片付けを業者に頼む場合、費用は物の量や運び出しの手間で変わります。複数社から現地で見積もりを取り、追加料金がかかる条件を書面で確かめておくと安心です。

仏壇や形見は、売り出す前に家族で決めておく

家財の中でも、仏壇やアルバム、親が大事にしていた物は、家族の気持ちが関わるので後回しになりがちです。売り出してから慌てて決めると、心残りが出やすくなります。

『自分だけで決めていいのかな』と迷う物は、兄弟に写真を送って「これは誰か持っていく?」と聞いておくと安心です。返事の期限を決めておくと、片付けも止まらずに進みます。

押し入れの奥の品物こそ、処分の前に査定へ

空き家の片付けでは、押し入れや仏間、たんすの奥から思わぬ物が出てきます。金や銀のアクセサリー、腕時計、ブランドのバッグ、着物、古いお金や切手などです。

『こんな古い物、売れるわけない』と思って処分してしまうと、もう取り戻せません。売れる物を先に分けておけば、片付けの費用を補うこともできます。

何が売れるかは実家の片付けで売れるもの一覧、売り先の違いは実家の品はどこで売る?で紹介しています。品物が多い時は、店頭に持ち込むより家に来てもらう出張の買取が便利です。

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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる

金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。

空き家を売った後の税金と特例

実家を片付ける人

売れたら売れたで、税金がかかるんですよね。どれくらい気にしておけばいいですか?

案内役

利益が出れば、売った年の翌年に確定申告をします。相続した空き家なら、条件しだいで大きな特例が使えることもあるので、売る前に当てはまるかだけ確かめておきましょう。

空き家を売って利益(譲渡所得)が出ると、所得税と住民税がかかります。相続した空き家で関係しやすいのは、次の3つです。

空き家を売った後の税金で関係しやすい制度の図解
気になること関係する制度売る前に確かめること
税金を大きく減らしたい空き家の3,000万円特別控除昭和56年5月31日以前の建築か、親が一人で住んでいたか、売る期限
相続税を払った取得費加算の特例相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売れるか
親が買った値段が分からない売った金額の5%を取得費にする方法書類が本当に残っていないか

空き家の特別控除は、分譲マンションは対象外で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。家を売る場合は耐震基準を満たすこと、または家を壊して土地を売ることなども条件です。

特例のくわしい条件は空き家の3,000万円特別控除とは、申告の流れは実家売却の確定申告で紹介しています。

売れたお金は、納税分を分けておく

売却代金が入ると、ほっとして家族で分けたくなりますよね。ただ、税金を納めるのは売った年の翌年なので、その時に手元に残っていないと困ってしまいます。

利益が出そうな時は、売却代金のうち納税にあてる分を別の口座に分けておきましょう。兄弟で分ける場合も、税金分を差し引いた金額で分けると後で揉めにくくなります。

2つの特例は選ぶもの

空き家の特別控除と取得費加算の特例は、同じ家と土地では一緒に使えません。どちらが有利かは、税務署や税理士に計算を相談してみてください。

空き家の売却で注意したいこと

売る前に気をつけたい場面

兄弟で相続した空き家を、一人の判断で進めてしまうケースです。遺産分割が終わるまで相続した家は相続人みんなの共有なので、売るには全員の同意が要ります。話し合いの結果は、遺産分割協議書などの形で残しておきましょう。

ほかにも、空き家の売却では次のような点でつまずきやすいです。

注意したいことなぜ大事か対策
放置している期間管理が行き届かず勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例が外れる売れるまで定期的に管理する
特例の期限空き家の特別控除は売る期限が決まっている相続開始の日から期限を数えておく
身内への売却親子・夫婦など特別の関係がある人に売ると、空き家の特別控除は使えない身内に譲る時は税金を先に確かめる
売却代金の分け方兄弟で分ける割合や、税金分を残すかで揉めやすい売る前に分け方と納税の段取りを決める

市区町村にも一度聞いておく

空き家の売却は不動産会社だけの話と思われがちですが、市区町村にも聞いておきたいことがあります。窓口は空き家の担当課です。

市区町村に確かめておきたいこと
  • 空き家バンクがあるか、家財が残っていても登録できるか
  • 空き家の解体や活用に使える支援があるか
  • 空き家の特別控除を使う時の確認書の申請窓口

支援の有無や内容は自治体ごとに違います。売り出す前に聞いておくと、売り方の選択肢が増えることもあります。

親が判断できない状態で、親名義の家を売りたい時は、成年後見の手続きが関わることがあります。その場合は親が自分で判断できない時の実家売却を見てみてください。

空き家の売却でよくある相談

ネットの相談サイトでも、空き家の売却についての質問はよく見かけます。代表的なものを要約して答えますね。

空き家バンクで、家財がそのまま残った家が多いのはなぜ?

空き家バンクには、片付けまで手が回らないまま登録されている家もあります。家財の処分を買い手に任せる前提で出ている物件もあるようです。

ただ、売る側から見ると、家財が残っていることで内見の印象が下がったり、買い手の負担を考えて価格の話し合いが厳しくなったりすることもあります。

売る側としては、家財を残すかどうかを登録前に市区町村や不動産会社と相談しておくと安心です。残す場合は、どの物を置いていくのかを買い手と書面で確かめておきましょう。

空き家バンクと不動産会社、どちらに頼むのがいい?

駅や街に近く一般の買い手が見込める家なら、不動産会社の仲介が向いています。地方の家で、移住や田舎暮らしをしたい人に届けたいなら、空き家バンクが合うこともあります。

国の「全国版空き家・空き地バンク」には1,153自治体が参加しています(令和8年9月末時点)。自治体によっては不動産会社と連携しているので、両方を使えるかを担当課に聞いてみてください。

実家を何年も空き家のままにしている人は多いですか?

仏壇の世話や、思い出があって手放せないといった理由で、空き家のままにしている家庭は少なくありません。総務省の統計でも、賃貸用や売却用などを除いた空き家は385万6千戸ありました。

ただ、空き家のままにしておくと固定資産税や管理の手間はずっと続きます。仏壇の扱いを先に決めると、売る話が進みやすくなることもあります。仏壇のことは実家じまいで仏壇はどうする?で紹介しています。

よくある質問

空き家の売却は、どこに相談するのがおすすめですか?

売る話は実家のある地域の不動産会社に、複数社まとめて査定を頼むのがおすすめです。名義は法務局や司法書士、税金は税務署や税理士、空き家バンクは市区町村が相談先になります。

遠方に住んでいても空き家を売れますか?

売れます。査定や打ち合わせは電話やメールで進められることも多いので、不動産会社に遠方であることを伝えて、立ち会いが必要な場面を確かめておきましょう。

空き家を高く売るには、リフォームしたほうがいいですか?

リフォームの費用が売る価格に上乗せできるとは限りません。直す前に、不動産会社に「このままの状態で売る場合」と比べてもらうと判断しやすくなります。

空き家を売るまで、どのくらいの期間がかかりますか?

家の条件や売り方で大きく変わります。仲介は買い手が見つかるまで待つため期間が読みにくく、買取は話がまとまれば早く進みやすいです。相続登記や片付けの時間も見込んで、余裕を持って動き始めましょう。

空き家の売却でかかる費用には何がありますか?

仲介手数料、売買契約書の印紙税、相続登記の登録免許税、必要に応じて測量や解体、家財の片付けの費用などがあります。金額は家の条件で変わるので、それぞれ見積もりで確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • 空き家の売却は、名義の確認、査定、売り方を決める、片付け、売り出しの順に進める
  • 売る話は不動産会社、名義は法務局、税金は税務署と、悩みごとに相談先を分ける
  • 売り方は仲介・買取・空き家バンクの3つ。早さと価格のバランスで選ぶ
  • 高く売るには、相続登記・境界・家の状態をはっきりさせて買い手の不安を減らす
  • 片付けで出てきた品物は、捨てる前に査定で値段を確かめる

実家を手放すまでの全体の流れは実家じまいの進め方を最初から最後までで見られます。できるところから一つずつ進めていきましょう。

実家じまい.jp

実家じまい.jp 編集部

親の家(実家)の片付け・遺品整理・家財の処分と売り方・空き家の売却や解体・相続登記と税金まで、実家じまいの進め方を、公的機関の情報と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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