兄弟で進める実家じまい|相続・売却の分担と揉めない話し合い方

兄弟で分担して実家じまいを進める後ろ姿のイラスト

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実家の近くに住んでいる自分ばかりが動いている。遠くの兄弟は「任せるよ」と言うだけ。そんなもやもやを抱えている方は、少なくないはずです。

実家を片付ける人

母が施設に入り、実家をどうするか兄と話し始めました。でも兄は遠方で、片付けも手続きも私の担当になりそうで、正直しんどいです。

案内役

その気持ち、まずは兄弟でちゃんと言葉にしていいんですよ。作業とお金と連絡、3つの分担を表にするだけで、負担の偏りはぐっと見えやすくなります。

結論から言うと、兄弟での実家じまいは「最初に議題をそろえて話し、分担を表にし、決まったことを記録する」の3つでこじれにくくなります。この記事では、実家の相続や売却を兄弟で進める時の分担の決め方と、話し合いのコツが分かります。

目次

兄弟の実家じまいがこじれやすいのは、なぜ?

先に結論

兄弟の仲が悪いからこじれるとは限りません。住んでいる場所、親との関わり方、知っている情報の量が違うので、同じ実家を見ていても感じ方がずれるんです。

近くに住む兄弟は、毎週のように実家に通い、片付けの大変さを肌で感じています。遠くの兄弟は、帰省のたびに「まだ片付いていないの?」と思ってしまうことも。

どちらが悪いわけでもなく、見えている景色が違うだけなんです。すれ違いが起きやすい場面を、表にしてみました。

すれ違いやすい場面近くに住む兄弟の本音遠くに住む兄弟の本音
片付けのペース毎週通っていて、もう限界何がどこまで進んだのか分からない
物を捨てる時いちいち聞いていたら終わらない思い出の物を勝手に捨てられたくない
お金の話立て替えばかり増えていくいくら使ったのか知らされていない
家を売るかどうか管理が大変だから早く手放したい帰る場所がなくなるのは寂しい
親の気持ち毎日親の本音を聞いている親の希望を直接聞く機会がない

この表を兄弟に見せて、「うちはどれが当てはまりそう?」と聞いてみるのも一つの方法です。自分の本音を言い出しにくい時の、きっかけになりますよ。

実家への思い入れの差も、すれ違いのもと

同じ家で育った兄弟でも、実家への思い入れは人それぞれです。長く家に住んでいた兄弟と、早くに家を出た兄弟とでは、手放すことへの寂しさがまったく違うこともあります。

『売るなんて冷たい』『残しても誰も住まないのに』。どちらの気持ちも、間違いではありません。結論を急ぐ前に、それぞれが実家に何を感じているかを聞き合う時間をとってみてください。

思い入れを話し合えた兄弟は、売るにしても残すにしても、後で「あの時ちゃんと話せてよかった」と思えることが多いんです。

実家を片付ける人

兄に不満を言ったら、けんかになりそうで怖いんです。

案内役

不満として伝えるより、「この作業をお願いできる?」と頼みごとにすると、受け取ってもらいやすくなります。責める言葉を使わないだけで、話はずいぶん進みますよ。

最初の話し合いで決めておきたい議題

いきなり「家をどうする?」から話し始めると、話題があちこちに飛んで、何も決まらないまま終わりがちです。最初に議題の一覧を共有しておくと、話し合いがぶれにくくなります。

兄弟の話し合いの議題リスト
  • 親の希望(親が健在なら、家をどうしたいか本人に聞く)
  • 実家を売るか、残すか、誰かが住むか
  • 相続になったら、誰が実家を継ぐか、どう分けるか
  • 片付け、手続き、親の対応を誰がどこまで担うか
  • 費用を誰が立て替え、いつどう精算するか
  • 形見として残したい物と、その決め方
  • 連絡の方法と、決めたことを残す場所
  • 目標の時期(例えば「次のお盆までに片付けの方針を決める」)

全部を1回で決める必要はありません。1回目は「議題の順番を決めて、親の希望を確かめる」だけでも十分な前進です。

親が健在なら、まず親の希望を聞く

親が元気なうちの実家じまいでは、家をどうするかを決めるのは名義人である親です。兄弟だけで「売ろう」と決めてしまうと、親の気持ちが置き去りになります。

聞き方は、答えを迫らない形がおすすめです。「この家のこと、お母さんはどうしたいと思ってる?急いで決めなくていいから、気持ちだけ聞かせて」。こんなふうに、兄弟がそろった場で一緒に聞いてみてください。

親が自分で判断するのが難しくなっている時は、家の売却に家庭裁判所の手続きが関わることがあります。その場合は親が自分で判断できない時の実家売却も参考にしてみてください。

話し合いの場は、全員がそろう形で

兄弟の誰かを抜きにして決めたことは、後で「聞いていない」とひっくり返りやすくなります。遠方の兄弟がいるなら、ビデオ通話でもいいので全員がそろう場をつくりましょう。

例えば、こんな切り出し方があります。「実家のこと、そろそろ一度ちゃんと話したいんだけど、来週の日曜の夜に30分だけ電話できる?話したいことはメモにして先に送るね」。

時間と議題を先に伝えておくと、相手も心の準備ができます。いきなり電話で本題に入るより、ずっと落ち着いて話せるんです。

配偶者の同席は、最初は控えめに

兄弟の配偶者が話し合いに加わると、意見が増えて話がまとまりにくくなることがあります。相続人は兄弟本人なので、最初の話し合いは兄弟だけで始めるのも一つの方法です。

もちろん、配偶者が片付けを手伝ってくれている家もありますよね。その場合は、決まったことを後で共有する形にすると、気持ちよく協力してもらいやすくなります。

兄弟の分担表をつくる

話し合いで決めたことは、分担表にして目に見える形にします。作業・費用・連絡の3つに分けると、誰が何をしているかが一目で分かります。

分担近くに住む兄弟の例遠くに住む兄弟の例
作業仕分け、ごみ出し、業者や査定の立ち会い帰省した時のまとめ作業、写真を見て残す物を決める
手続き役所や郵便、電気・ガスの手続き戸籍の請求、不動産会社や司法書士とのやり取り
費用片付けの実費を立て替える立て替えの精算、移動できない分を多めに負担
連絡作業の報告を写真つきで送る決まったことを文章にまとめて共有する
親の対応施設への面会、親の気持ちを聞く電話で親の話を聞く、手紙を送る
兄弟で実家じまいを分担する表の図解

分担は、住んでいる場所だけで決めなくて構いません。仕事の忙しさ、子育てや介護の状況なども含めて、それぞれが無理なく続けられる形を探しましょう。

近くに住む兄弟の負担は、時間で見える化する

近くに住む兄弟の負担は、お金よりも「時間」に出ます。週末のたびに実家へ通い、ごみ出しの日に合わせて早起きする。こうした手間は、口で言わないと遠くの兄弟には伝わりません。

作業した日と、かかった時間、交通費をメモしておくだけで十分です。後で費用を精算する時や、相続の分け方を話す時に、「これだけ動いてくれていたんだ」と分かってもらいやすくなります。

遠くに住む兄弟にも、できることはたくさんある

『遠くにいるから何もできない』と思っている兄弟も、実は手伝えることがたくさんあります。とくに書類やお金に関わることは、場所を選ばずに進められます。

  • 相続の手続きに要る戸籍を、郵送で取り寄せる
  • 不動産会社や司法書士との連絡窓口になる
  • 片付けの業者や買取店の見積もりを集めて比べる
  • 家計簿をつけるように、費用の記録と精算を担う
  • 帰省の日を決めて、まとめて作業する日をつくる

遠方からの進め方は、遠方の実家じまいでも詳しく紹介しています。

決まったことは、すべて記録に残す

兄弟の実家じまいで後から揉める原因の多くは、「言った・言わない」です。決まったことを記録に残しておくだけで、こうした行き違いはかなり防げます。

記録の残し方
  1. 兄弟だけのグループや共有ノートを一つつくる
  2. 話し合いで決まったことを、その日のうちに文章で書き込む
  3. 立て替えた費用は、領収書を写真に撮って同じ場所に残す
  4. 片付けの作業日と、やったことを短く書いておく
  5. 売れた物や形見として持ち帰った物も、品物と行き先を書く
  6. 区切りのいいところで、全員で内容を見直す

記録は、相続の話し合いや確定申告の時にも役立ちます。家の売却に関わる費用の領収書は、とくに大事にとっておきましょう。

よくある失敗

「兄弟なんだから、細かいことは書かなくても大丈夫」と思っていたら、売却代金を分ける時に立て替えた額で揉めてしまった。そんな話は珍しくありません。仲がいい時ほど、記録は気軽に残しておけます。

協力してくれない兄弟がいる時は

声をかけても返事がない、話し合いを避けられる。そんな時は、本当に腹が立ちますよね。ただ、協力しないように見える兄弟にも、理由があることが多いんです。

例えば、親との関係に複雑な思いがある、仕事や家庭で余裕がない、何をすればいいか分からない。理由が分かると、頼み方も変えられます。

頼みごとは、小さく具体的に

「もっと手伝ってよ」では、何をすればいいのか伝わりません。「この書類を来週までに役所に請求してほしい」のように、作業を小さく切って頼んでみてください。

  • 作業を一つに絞り、期限をつけて頼む
  • やってくれたら、ひと言お礼を伝える
  • 来られないなら、その分を費用で負担してもらう相談をする
  • 返事がない時は、手紙やメールで経緯を残しておく

感情がぶつかった時は、いったん持ち帰る

話し合いの途中で、昔のことを持ち出されたり、言い方にカチンときたりすることもありますよね。そんな時は、その場で結論を出そうとしないのがコツです。

「今日はここまでにして、来週もう一度話そう」と区切ってみてください。決まったことだけを記録に残し、決まらなかったことは次の議題に回します。時間を置くと、お互いに冷静に考え直せることも多いんです。

相続の手続きは、兄弟全員の関わりが要る

親が亡くなった後の遺産分割は、相続人全員の話し合いで決めます。遺産分割協議書には全員の署名と実印が要るので、協力してくれない兄弟がいると手続きが止まってしまいます。

どうしても話がまとまらない時は、家庭裁判所の遺産分割調停を使う方法があります。申立ての費用は、亡くなった人1人につき収入印紙1,200円分と郵便切手です。分け方の選び方は遺産分割と実家で確かめられます。

実家を片付ける人

弟はずっと連絡を返してくれません。調停なんて、大げさな気がします。

案内役

調停は、第三者に間に入ってもらって話し合う場なんです。いきなり申し立てる前に、まずは手紙で「いつまでに返事がほしい」と伝えてみる方法もありますよ。

実家を勝手に売却されたくない時に知っておくこと

『兄が勝手に実家を売ってしまうのでは』と心配になることもありますよね。実家を売れるのは、登記簿に名義が載っている人です。

親が健在なら、名義人は親なので、兄弟の誰かが勝手に売ることはできません。親が亡くなった後は、遺産を分けるまで実家は相続人みんなの共有になり、一人の判断で家全体を売ることはできないんです。

実家の状態売ることができる人確かめておきたいこと
親が健在で、親の名義名義人である親親が自分で判断できる状態か
親が亡くなり、遺産分割の前相続人全員がそろって誰が相続人になるか
遺産分割で兄弟の1人が継いだ継いだ兄弟協議書に売却や代金の分け方を書いたか
兄弟の共有名義共有者全員がそろって持ち分の割合と、全員の意向
実家の状態ごとに売ることができる人を示した図解

気をつけたいのは、遺産分割協議書に印鑑を押す時です。「実家は兄が継ぐ」と書いた協議書に押印すれば、その後は兄が自分の判断で売れるようになります。

心配な時は、登記事項証明書で名義を確かめる

今の名義が誰になっているかは、法務局で実家の登記事項証明書を取ると分かります。名義が変わっていないか気になる時は、まず1通取って確かめてみましょう。

売った代金をどう分けるかまで決めておきたいなら、協議書を作る段階で書いておきましょう。名義や同意の基本は、実家を勝手に売却された・売却したい時で詳しく紹介しています。

兄弟の実家じまいで、よく届く相談

兄弟と実家をめぐる悩みは、ネットの相談サイトにも多く寄せられています。いくつかを要約して答えますね。

実家に同居している兄の家族から、合鍵を返すよう言われた

結婚して家を出た後も、実家の合鍵を持っている。ところが、親と同居している兄の家族から返してほしいと言われた、という相談です。

親が健在なら、家のことを決めるのは名義人である親です。兄の家族を責める前に、まずは親本人に「どうしてほしいか」を直接聞いてみましょう。

実家に自分の荷物が残っているなら、この機会に引き取っておくと安心です。親が亡くなった後は相続人みんなで話すことになるので、その時に備えて、今の気持ちを親と兄に伝えておくのもいいですね。

弟が「将来は実家をもらう」と言っている

弟夫婦に子どもが生まれ、いずれ実家をもらうと言っている。でも家は二世帯で住める広さがなく、両親が出ていくことになりそうで心配、という相談です。

家の今後を決めるのは、名義人である親です。兄弟だけで話を進めず、両親がどこでどう暮らしたいかを、まず両親の口から聞いてみましょう。

親が弟に家を譲りたいと考えているなら、ほかの兄弟の取り分をどう考えるかも話題になります。親が元気なうちに、家族全員で一度話しておくと、相続の時に揉めにくくなります。

兄弟で半分ずつ相続したが、その後どうするかで意見が分かれる

実家を兄弟2人で半分ずつの共有で相続した。その後、住む・売る・貸すで意見が合わない、という相談です。

共有の家を売るには、共有者全員がそろう必要があります。意見が分かれたままだと、固定資産税や管理の費用だけがかかり続けることも。

管理の費用をどう分けるか、いつまでに方針を決めるかを、まず文章で取り決めておきましょう。それでも決まらない時は、弁護士や司法書士に相談してみてください。

片付けで出てきた値打ちのある物は、兄弟で確かめてから

兄弟の実家じまいで意外と揉めやすいのが、片付けの途中で出てくる品物の扱いです。金の指輪やネックレス、腕時計、着物、古銭などは、思わぬ値段がつくことがあります。

誰か一人が黙って持ち帰ったり売ったりすると、後で不信感につながります。見つけたら写真を撮って兄弟に共有し、値打ちを確かめてから、形見にするか売るかを決めましょう。

親が亡くなっている場合、家の中の物も相続人みんなの財産です。相続放棄を考えている兄弟がいるなら、売ったり捨てたりする前に家庭裁判所や弁護士に相談しておくと安心です。

『こんな古い物、値段なんてつかないよね』と迷う物ほど、一度プロに見てもらう価値があります。売れたお金は、片付けの費用にあてるか、兄弟で分けるかを記録に残しておきましょう。

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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる

金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。

どんな物に値段がつきやすいかは実家の片付けで売れるもの一覧、売り先の選び方は実家の品はどこで売る?で紹介しています。

兄弟の話し合いで気持ちが疲れてしまった時は、実家の片付けがつらい・大変な時や実家じまいが寂しい・つらい時も読んでみてください。実家じまい全体の順番は実家じまいとは?やることの順番にまとめています。

よくある質問

実家の片付けを一人でやった分、相続で多くもらうことはできますか?

相続人全員が納得すれば、法定相続分と違う分け方にできます。作業や立て替えの記録を残しておくと、話し合いの材料になります。

遠方の兄弟と、費用の負担はどう分ければいいですか?

決まった分け方はないので、兄弟で話し合って決めます。作業に来られない分を費用で多めに負担する、売却代金から精算するなど、それぞれが納得できる形を選び、記録に残しておきましょう。

実家を売るかどうか、兄弟で意見が分かれています。どうすればいいですか?

親が健在なら、まずは名義人である親の希望を聞きます。相続の後なら、売りたい理由と残したい理由をそれぞれ出し合い、管理の費用や手間も含めて比べてみてください。

兄弟の一人が勝手に実家の物を持ち出しています。どうすればいいですか?

親が亡くなっていれば、家の中の物も相続人みんなの財産です。まずは何を持ち出したのか確かめ、記録を残したうえで話し合いましょう。まとまらない時は弁護士に相談してください。

兄弟の話し合いは、親が亡くなる前に始めてもいいのですか?

むしろ、親が元気なうちに始めるのがおすすめです。親の希望を兄弟みんなで直接聞けるので、相続の時に「親はこう言っていた」と食い違うことを防げます。

まとめ

この記事の要点
  • 兄弟のすれ違いは、住む場所や情報の差から生まれやすい
  • 最初の話し合いは、議題リストを共有してから始める
  • 作業・費用・連絡の分担表で、負担の偏りを見える形にする
  • 決まったことや立て替えた費用は、その日のうちに記録する
  • 実家を売れるのは名義人。相続後は相続人全員がそろう必要がある
  • 片付けで出てきた値打ちのある物は、兄弟で確かめてから扱いを決める

兄弟での実家じまいは、全員が同じ情報を見られるようにするだけで、ずいぶん進めやすくなります。まずは議題リストを兄弟に送るところから始めてみてください。

実家じまい.jp

実家じまい.jp 編集部

親の家(実家)の片付け・遺品整理・家財の処分と売り方・空き家の売却や解体・相続登記と税金まで、実家じまいの進め方を、公的機関の情報と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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