実家を相続したら税金はかかる?相続税の基礎控除と申告期限

実家を相続した時の税金を電卓で計算する手元のイラスト

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親の葬儀が終わって少し落ち着いた頃、ふと『実家を相続したら、税金はいくらかかるんだろう』と不安になる方は多いはずです。

実家を片付ける人

父が亡くなり、母と私と弟で実家を相続します。田舎の古い家ですが、相続税ってかかるんでしょうか。

案内役

相続税は、親の財産の合計が「基礎控除」という金額を超えた時にだけかかる税金です。まずは財産を書き出して、基礎控除と比べるところから始めましょう。

結論から言うと、実家を相続しても、親の財産全体が基礎控除以下なら相続税はかかりません。ただ、相続税以外にも関わる税金があります。この記事では、実家の相続で出てくる税金の種類と、相続税がかかるかの確かめ方、申告の期限が分かります。

目次

実家を相続した時に関わる税金は、相続税だけじゃない

先に結論

実家の相続で関わる税金は、主に相続税、相続登記の登録免許税、毎年の固定資産税、売った時の譲渡所得の税金です。親の亡くなった年の所得については、準確定申告も必要になることがあります。

「相続の税金」と聞くと相続税ばかりが気になりますが、実際には時期も窓口も違う税金がいくつか出てきます。表で一度、全体を見ておきましょう。

税金かかるタイミング実家を相続しただけでかかる?窓口
相続税親が亡くなった後財産の合計が基礎控除を超えた時だけ親の住所地の税務署
登録免許税相続登記をする時かかる(固定資産税評価額の0.4%、免除あり)法務局
固定資産税毎年かかる(1月1日時点の所有者に課税)実家のある市区町村
譲渡所得の税金実家を売って利益が出た時かからない(売った時だけ)売った翌年の確定申告で税務署
親の所得税(準確定申告)親が亡くなった年の分実家とは別。親に所得があれば必要親の納税地の税務署

相続税がかからない家でも、登録免許税と固定資産税は関わってきます。とくに固定資産税は、誰も住んでいない空き家でも毎年かかり続けるんです。

実家を相続した時に関わる税金の図解

相続税がかかるかどうかは、基礎控除で決まる

相続税の申告と納税が必要なのは、親の財産の合計が「遺産に係る基礎控除額」を超える時です。基礎控除の範囲内なら、申告も納税も要りません。

基礎控除の計算式

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の人数ごとに計算すると、次のようになります。

法定相続人の数基礎控除額例えばこんな家族
1人3,600万円一人っ子で、もう片方の親もすでに亡くなっている
2人4,200万円母と子1人、または子2人
3人4,800万円母と子2人、または子3人
4人5,400万円母と子3人
相続税の基礎控除額を法定相続人の数ごとに示した図解

人数の数え方で気をつけたいこと

相続放棄をした人がいても、法定相続人の数は「放棄がなかったもの」として数えます。兄弟の一人が放棄しても、基礎控除額は減らないんです。

養子がいる場合は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までを人数に含めます。家族の形が複雑な時は、税務署や税理士に確かめておきましょう。

相続税がかかるかの確かめ方

『実家の値段なんて分からないし、計算なんて無理』と感じますよね。最初はざっくりで大丈夫なので、次の順番で書き出してみてください。

相続税がかかるか確かめる手順
  1. 実家の土地と建物、ほかの不動産を書き出す
  2. 預貯金や株など、お金に関わる財産を書き出す
  3. 金や貴金属、骨董品など、値打ちのある家財も書き出す
  4. 借金など、親が残した債務を書き出して差し引く
  5. 亡くなる前の一定期間に親から贈与された財産があれば足す
  6. 合計を基礎控除額と比べる

贈与を足す期間は、親が令和8年12月31日以前に亡くなった場合、亡くなる前の3年以内です。

実家の土地や建物を相続税の計算でいくらと見るかは、国税庁の決まりに沿って計算します。売れそうな値段とは違うことがあるので、基礎控除の近くになりそうなら、早めに税務署や税理士に相談してみてください。

実家を片付ける人

預金もそれほどないので、たぶん基礎控除には届かないと思います。それなら何もしなくていいですか?

案内役

相続税の申告は要りませんが、相続登記と、亡くなった年の親の準確定申告は別に考えておきましょう。固定資産税の納付書の届け先も、市区町村に確かめておくと安心ですよ。

相続税の申告が必要な時の期限と提出先

基礎控除を超えそうな時は、期限を意識して動き出します。親の亡くなった日を起点に、何をいつまでにするのか、順番に並べてみましょう。

親が亡くなってからの税金の流れ
  1. 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に、親の準確定申告をする
  2. 財産を調べて、相続税がかかるかを確かめる
  3. 相続人で遺産の分け方を話し合う
  4. 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、相続税を申告して納める

相続税の申告期限は、例えば1月6日に亡くなった場合、その年の11月6日です。期限が土日祝日にあたる時は、その翌日になります。

提出先は「親」の住所地の税務署

相続税の申告書は、亡くなった親の住所地を所轄する税務署に出します。相続する子の住所地ではないので、遠方に住んでいる方は注意しておきましょう。

e-Taxや郵送でも提出できます。納税も申告期限までで、現金で一度に納めるのが原則です。延納や物納の制度もありますが、期限までに申請して許可を受ける必要があります。

よくある勘違い

「実家を売ったお金で相続税を払えばいい」と考えていても、10か月以内に売れるとは限りません。売却代金をあてにするなら、売れるまでの時間も見込んで早めに動き出しましょう。

準確定申告も忘れずに

準確定申告は、親が亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得を申告する手続きです。年金のほかに家賃収入などがあった親は、申告が必要になることがあります。

相続人が2人以上いる時は、連名で出すか、ほかの相続人の名前を書き添えて各自で出します。提出先は、親が亡くなった時の納税地の税務署です。

実家の相続と税金について、よく届く相談

実家を相続した時の税金は、ネットの相談サイトにも多くの声が寄せられています。いくつかを要約して答えますね。

親名義の実家を相続して住むなら、相続税はどれくらい?

住むかどうかにかかわらず、まずは親の財産全体が基礎控除を超えるかどうかで決まります。超えなければ、相続税はかかりません。

超える場合の税額は、財産の内容や分け方、誰が実家を継ぐかで変わります。住み続ける予定であることも含めて、税務署や税理士に具体的に相談してみてください。

田舎の実家を空き家のままにしている人は、相続税も固定資産税も払っている?

相続税は、親が亡くなった時に一度だけ考える税金です。財産が基礎控除以下なら、そもそも払っていない人も多いはずです。

一方、固定資産税は毎年かかります。課税されるのは毎年1月1日時点の所有者で、誰も住んでいない空き家でも変わりません。

空き家を放っておくと、市区町村から勧告を受けて、住宅用地の特例が外れることもあります。管理の仕方は空き家の実家を放置するとどうなる?で紹介しています。

相続税を確かめる時は、家の中の物も親の財産

相続税がかかるかを確かめる時、家と預金だけを数えて終わりにしていませんか。金の指輪やネックレス、腕時計、骨董品なども親の財産なので、書き出しておく必要があります。

『古い物ばかりで、値打ちなんてない』と思っても、金やプラチナは素材として値段がつくことがあります。どれくらいの値打ちがあるか分からない物は、査定で確かめておくと財産の一覧も作りやすくなります。

ただし、相続放棄を考えている人がいる場合は、家財を売ったり処分したりする前に家庭裁判所や弁護士に相談しましょう。売るかどうかは兄弟で話し合ってから決めると安心です。

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よくある質問

相続税がかからない場合も、税務署に何か届け出る必要がありますか?

財産の合計が基礎控除額以下なら、相続税の申告も納税も要りません。基礎控除に近くて判断に迷う時は、税務署や税理士に確かめておきましょう。

兄弟の一人が相続放棄をしたら、基礎控除は減りますか?

減りません。法定相続人の数は、相続放棄がなかったものとして数えます。

相続税の申告書は、どこの税務署に出せばいいですか?

亡くなった親の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地の税務署ではないので注意しましょう。

孫が実家を相続した場合、相続税はどうなりますか?

配偶者・父母・子以外の人が財産を取得した場合、相続税額に2割が加算されます。ただし、親が先に亡くなっていて代わりに相続する孫は加算されません。養子になっている孫は加算の対象です。

まとめ

この記事の要点
  • 実家の相続で関わる税金は、相続税・登録免許税・固定資産税・売った時の税金
  • 相続税は、財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた時だけ
  • 相続放棄した人がいても、基礎控除の人数は減らない
  • 相続税の申告と納税は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
  • 提出先は親の住所地の税務署。準確定申告は4か月以内
  • 家の中の金や貴金属なども親の財産として書き出す

税金の話は難しく感じますが、最初の一歩は財産を書き出すことだけです。一覧ができたら、基礎控除と比べて、必要なら税務署や税理士に相談してみてください。

実家じまい.jp

実家じまい.jp 編集部

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