実家の相続を兄弟でどう分ける?現物・換価・代償の3つの分け方

兄弟で実家の相続の分け方を話し合う手元のイラスト

当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。

親が遺してくれた財産のうち、いちばん大きいのが実家だった。そんな時、兄弟でどう分ければいいのか、頭を抱えてしまいますよね。

実家を片付ける人

母が亡くなり、兄と私で相続します。預金はわずかで、ほとんどが実家です。家は半分に切れないし、どう分ければいいのでしょう。

案内役

家そのものは切れなくても、分け方はいくつかあるんです。「誰かが継ぐ」「売ってお金で分ける」「継いだ人がお金を払う」の3つから、兄弟に合う方法を選んでいきましょう。

結論から言うと、実家の相続を兄弟で分ける方法は、大きく分けて3つです。この記事では、兄弟それぞれの取り分の目安と、3つの分け方の違い、話し合いがまとまらない時の手続きが分かります。

目次

まずは兄弟それぞれの取り分を知っておく

先に結論

民法では、相続人ごとの取り分の目安(法定相続分)が決まっています。ただし、相続人全員が納得すれば、これと違う分け方にしても構いません。

亡くなった親に配偶者がいれば、配偶者は常に相続人です。子がいれば子も相続人になり、子どうしの取り分は均等です。

よくある家族の形で、取り分の目安を表にしてみました。

家族の形親の配偶者の取り分子1人あたりの取り分
父が亡くなり、母と子2人2分の14分の1
父が亡くなり、母と子3人2分の16分の1
両親とも亡くなり、子2人なし2分の1
両親とも亡くなり、子3人なし3分の1

なお、父母の片方だけが同じ兄弟は、両方が同じ兄弟の2分の1になる決まりがあります。家族の事情が複雑な時は、早めに専門家に確かめておくと安心です。

取り分は「家の値段」と一緒に考える

『半分ずつなら、家も半分ずつ持てばいいのでは?』と思うかもしれません。でも、実家は一つしかないので、取り分どおりに分けようとすると工夫が要るんです。

例えば、実家のほかに預金が少ししかない場合。兄が実家を継ぐと、兄の取り分が大きくなりすぎてしまいますよね。そこで、次に紹介する3つの分け方が出てきます。

実家を兄弟で分ける3つの方法

実家の分け方は、家を誰が持つか、お金をどう動かすかで3つに分かれます。

分け方中身向いている家族気をつけたいこと
現物分割1人が実家を継ぎ、ほかの兄弟は預金などを受け取る実家以外の財産も十分ある実家の値段とほかの財産の釣り合い
換価分割実家を売り、代金を取り分に応じて分ける誰も住む予定がない売れるまでの管理と、売る費用の負担
代償分割1人が実家を継ぎ、ほかの兄弟にお金を払う継ぎたい人がいて、払うお金を用意できる家の値段をいくらと見るか
実家を兄弟で分ける3つの方法の図解

現物分割:実家を1人が継ぐ

いちばんシンプルなのが、実家を兄弟の1人が継ぎ、ほかの兄弟が預金や株などを受け取る方法です。実家の値段と、ほかの財産の額がだいたい釣り合っている時に向いています。

ただ、実家の値段が大きいと、ほかの兄弟の取り分が足りなくなりがちです。その時は、次の代償分割と組み合わせて考えます。

換価分割:売って、お金で分ける

『思い出の家を売るなんて』と迷う気持ちもありますよね。ただ、誰も実家に住む予定がないなら、売って代金を分けるのが分かりやすい方法です。お金なら、取り分どおりにきっちり分けられます。

気をつけたいのは、売れるまでの時間です。片付けや管理の費用を誰が立て替えるか、売る時の仲介手数料などをどこから払うかも、先に決めておきましょう。

代償分割:継ぐ人が、ほかの兄弟にお金を払う

「実家を残したい」という兄弟がいる時に使われるのが、代償分割です。実家を継ぐ人が、ほかの兄弟に取り分に見合うお金(代償金)を払います。

例えば、兄弟2人で実家を兄が継ぐなら、兄が弟に家の値段の半分にあたるお金を払うイメージです。話し合いでいちばん揉めやすいのは、この「家の値段」をいくらと見るかなんです。

家の値段は、不動産会社の査定や固定資産税の評価額など、何を物差しにするかで変わります。先に「どの物差しを使うか」を兄弟で決めてから、金額の話に入るとこじれにくくなります。

共有のまま残すのは慎重に

決めきれずに「とりあえず兄弟の共有にしておこう」とする方もいます。でも共有のままだと、売る時は全員が売主になり、次の相続で甥や姪まで共有者に加わることも。共有にするなら、将来どうするかまで話しておきましょう。

実家を片付ける人

兄は実家に住みたいと言っていますが、代償金を払う余裕はなさそうです。

案内役

その場合は、支払いを分割にする、預金を多めに受け取るなど、組み合わせ方を相談してみましょう。決めた内容は、協議書にはっきり書いておくことが大切です。

分け方が決まるまでの進め方

分け方を話し合う前に、そろえておきたい材料があります。順番に進めると、話し合いの場で「そんな財産があったの?」という行き違いを防げます。

兄弟で実家を分けるまでの流れ
  1. 遺言書があるかを探す
  2. 戸籍を集めて、相続人が誰かを確かめる
  3. 実家、預貯金、家財など、親の財産を一覧にする
  4. 実家を継ぎたいか、売りたいか、兄弟それぞれの希望を出し合う
  5. 3つの分け方から、家族に合う方法を選ぶ
  6. 遺産分割協議書を作り、相続人全員が署名して実印を押す
  7. 協議書の内容で相続登記をする
兄弟で実家を分けるまでの流れの図解

遺産分割で実家を取得した人は、遺産分割の日から3年以内に、その内容で登記する義務があります。登記の期限と手順は相続登記の義務化で何が変わる?で確かめられます。

遺産分割協議書に書いておきたいこと
  • 実家を誰が継ぐか(売るなら、誰の名義で売るか)
  • 代償金を払うなら、その額と支払いの期限
  • 売るなら、代金の分け方と、売るまでの費用の負担
  • 片付けの費用を誰が出すか
  • 後から見つかった財産をどう分けるか

兄弟の話し合いがまとまらない時は

『兄弟なんだから、話せば分かるはず』と思っていても、うまくいかないことはありますよね。そんな時は、家庭裁判所の遺産分割調停を使う方法があります。

調停の基本

調停は、家庭裁判所で第三者に間に入ってもらい、相続人どうしで話し合う手続きです。申立ての費用は、亡くなった人1人につき収入印紙1,200円分と、連絡用の郵便切手です。

申立て先は、相手方のうち一人の住所地の家庭裁判所か、当事者が合意して決めた家庭裁判所です。話し合いがまとまらなければ、自動的に審判に移り、裁判所が分け方を決めます。

先送りにしすぎると、使えなくなる決まりがある

相続開始から10年を過ぎてから遺産分割をすると、生前の贈与や介護の貢献を考える決まり(特別受益・寄与分)が、原則として使えなくなります。

例えば、「親の介護をずっと担ってきた分を考えてほしい」と思っているなら、話し合いを長く寝かせないことが大切です。こうした事情がある時は、弁護士に相談しながら進めると安心です。

実家の相続で、兄弟からよく届く相談

実家の分け方は、ネットの相談サイトにも多くの声が寄せられています。いくつかを要約して答えますね。

父の遺産を姉と分けた後、建物が共有名義になっている

父が亡くなって数年。姉と遺産を分けたものの、建物は二人の共有名義のまま、という相談です。

共有のままだと、建物を売る時や貸す時に、姉と自分の両方の同意が要ります。どちらかが単独で持ちたいなら、持ち分を買い取る、二人で売って代金を分けるといった方法を話し合ってみましょう。

共有の状態を変える手続きには、税金や登記の費用が関わることもあります。進める前に司法書士や税理士に相談しておくと、思わぬ出費を防げます。

実家を兄弟でどう分けるのがいいか分からない

どの方法がいいかは、家族の状況で変わります。迷った時は、次の3つを兄弟で確かめてみてください。

  • 実家に住みたい、残したいと考えている兄弟はいるか
  • 実家以外に、預貯金などの財産がどれくらいあるか
  • 実家を継ぐ人に、代償金を払う余裕はあるか

住みたい人がいなければ換価分割、住みたい人がいて財産のバランスが取れれば現物分割、取れなければ代償分割。こう考えると、選びやすくなります。

実家の中の値打ちのある物も、分ける財産のひとつ

実家の相続というと家と土地に目が行きがちですが、家の中の物も親の財産です。金の指輪やネックレス、腕時計、着物などは、思わぬ値段がつくこともあります。

兄弟の誰かが黙って持ち帰ったり処分したりすると、後で「あれはどこへ行ったの?」と揉める原因に。まずは一覧にして、値打ちを確かめてから分け方を決めると公平です。

ただし、相続放棄を考えている兄弟がいる場合は、家財を売ったり捨てたりする前に、家庭裁判所や弁護士に相談しておきましょう。

PR|遺品・実家の品の買取

捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる

金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。

どんな物に値段がつきやすいかは実家の片付けで売れるもの一覧、どこに売るかは実家の品はどこで売る?で紹介しています。名義が親のままの実家の扱いは実家の名義が親のまま、相続税がかかるかどうかは実家を相続したら相続税はかかる?、実家じまい全体の流れは実家じまいとは?やることの順番で確かめられます。

よくある質問

法定相続分と違う分け方にしてもいいのですか?

相続人全員が納得すれば、法定相続分と違う分け方にしても構いません。決めた内容は遺産分割協議書に書き、全員が署名と実印の押印をしておきましょう。

遺産分割の話し合いに期限はありますか?

話し合いそのものに期限はありません。ただ、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分が原則考慮されなくなるほか、相続登記や相続税の申告には期限があるので、早めに進めるのが安心です。

実家に住んでいる兄弟がいる場合、売ることはできますか?

売るには、遺産分割で売ると決めるか、名義人全員が売ることに同意する必要があります。住んでいる兄弟の暮らしにも関わるので、引っ越し先や時期まで含めて話し合いましょう。

遠方に住む兄弟とは、どうやって話し合えばいいですか?

電話やビデオ通話で話し、決まったことは文章にして共有しておくと行き違いを防げます。協議書への署名や押印は郵送でやり取りできます。

まとめ

この記事の要点
  • 兄弟の取り分の目安は法定相続分。全員が納得すれば違う分け方でもいい
  • 実家の分け方は、現物分割・換価分割・代償分割の3つ
  • 代償分割では、家の値段の物差しを先に決める
  • 共有のまま残すと、売る時や次の相続で困ることがある
  • まとまらない時は遺産分割調停。費用は収入印紙1,200円分と郵便切手

実家をどう分けるかは、兄弟がそれぞれの希望を口に出すところから始まります。まずは財産の一覧を作って、同じ材料を見ながら話してみてください。

実家じまい.jp

実家じまい.jp 編集部

親の家(実家)の片付け・遺品整理・家財の処分と売り方・空き家の売却や解体・相続登記と税金まで、実家じまいの進め方を、公的機関の情報と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次