実家の遺品整理は何から?始める時期・家族の分担・進める順番

実家の遺品整理を始める和室のイラスト

当サイトの記事は、国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・環境省・消費者庁・国民生活センターなど公的機関の情報、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や公式情報は記事執筆時点のもので、変わることがあります。

親を見送ったあと、実家に入ると、暮らしていた時のままの部屋が待っています。『どこから手をつければいいんだろう』と、立ちすくんでしまう方も多いはずです。

実家を片付ける人

父が亡くなって、実家の遺品整理をすることになりました。物が多すぎて、何から始めればいいのか見当もつきません。

案内役

悲しみの中で、家ひとつ分の物と向き合うのは本当に大変ですよね。いきなり捨て始めず、まずは家族で話すところから始めましょう。

結論から言うと、実家の遺品整理は「話す」「探す」「分ける」「手放す」の4段階で進めると、手戻りなく終わらせやすくなります。この記事では、始める時期と家族での分担、最初に探す物、売れる遺品の扱い方まで、順番に分かります。

目次

実家の遺品整理は「話す・探す・分ける・手放す」の4段階

先に結論

いきなり捨てる作業から始めると、大事な書類をなくしたり、家族ともめたりしやすくなります。話す、探す、分ける、手放すの順に、一段ずつ区切りをつけて進めましょう。

実家の片付けと遺品整理は、ふだんの片付けとは目的が違います。物を減らすだけでなく、相続の手続きに必要な物を見つけ、故人の思いを家族で分け合う作業でもあるんです。

段階この段階のゴール終わったと言える目安
1. 話す家族で進め方と役割を決める誰が何を決めるか、全員が分かっている
2. 探す書類と貴重品を先に見つける通帳や権利証などが1か所にまとまった
3. 分ける残す・形見分け・売る・処分に分ける部屋ごとに行き先のラベルが付いた
4. 手放す売る物を売り、処分する物を出す家の中が空になり、鍵を閉められる

段階ごとに区切りがあると、疲れて休んだ後でも「次はここから」と再開しやすくなります。家族で同じ表を見ながら進めると、話も早いですよ。

実家の遺品整理の4段階を表した図解

いつ・誰と始める?期限と家族の事情で決める

『四十九日が過ぎるまで、手をつけないほうがいいのかな』と迷いますよね。遺品整理を始める時期に決まりはありません。

ただ、相続の手続きには期限があるものがあります。気持ちの整理を待ちつつ、期限から逆算して「探す」段階だけは早めに始めておくと安心です。

知っておきたい区切り遺品整理との関係
相続放棄は、相続を知った時から3か月以内放棄を考えるなら、片付けや売却の前に方針を決める
準確定申告は、相続を知った日の翌日から4か月以内親の収入や医療費の書類を先に探しておく
相続税の申告は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内財産が分かる書類や通帳を集めておく
相続登記は、相続を知った日から3年以内権利証や固定資産税の通知書を見つけておく

相続税は、遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら申告も納税も要りません。財産が分かる書類がそろえば、申告が要るかどうかも見えてきます。

実家が賃貸だった場合は、退去の日が実質的な締め切りになります。持ち家でも、空き家のまま長く置くと管理の手間がかかるので、家をどうするかと一緒に考えておきましょう。

実家が空き家になる時に、先にやっておくこと

親が一人で暮らしていた家は、遺品整理が終わるまで空き家になります。片付けを始める前に、家を守るための用意をしておきましょう。

空き家になる前の3つの用意

冷蔵庫の生ものと、台所の生ごみを先に出しておきます。戸締まりを確かめ、鍵を誰が持つかを家族で決めます。郵便物は、日本郵便に転居届を出すと届出日から1年間、新しい住所へ無料で転送してもらえます。

郵便物がたまると、留守だと分かってしまいます。転送の手続きは、登録まで3〜7営業日かかるので、早めに出しておくと安心ですよ。

家族で最初に決めておきたいこと

遺品整理は、誰か一人が抱え込むと続きません。最初の話し合いで、次のことだけは決めておきましょう。

家族の話し合いで決めること
  • 片付けの日程と、誰がどの日に実家へ行くか
  • 物を捨てる・売る時に、誰の了解をとるか
  • 形見分けをいつ、どんな形でするか
  • かかった費用を誰が立て替え、どう精算するか
  • 相続放棄を考えている家族がいないか

遠方に住んでいて通えない兄弟がいる場合は、写真や動画で状況を共有するだけでも違います。「残したい物があれば、この日までに教えてね」と期限を決めて伝えておくと、あとで食い違いが起きにくくなりますよ。

実家を片付ける人

兄は遠くに住んでいて、片付けは私ひとりでやることになりそうです。全部私が決めていいんでしょうか?

案内役

ひとりで決めると、あとで「あれはどうしたの」と言われることもあります。売る物や高価な物だけは、兄弟にひと声かけてから動くと安心ですよ。

何から手をつける?最初は「探す物」を見つける

いよいよ実家に入ったら、最初の数日は捨てる作業ではなく、探す作業にあてるのがおすすめです。手続きに要る物を先に見つけておくと、あとの作業がぐっと楽になります。

探す物なぜ先に要るかよく出てくる場所
通帳・キャッシュカード・印鑑預金の確認や相続の手続きに使う仏壇の引き出し、たんすの小引き出し
権利証(登記識別情報)・固定資産税の通知書家と土地の名義を確かめ、相続登記に使う金庫、書類箱、本棚のファイル
保険証券・年金の書類保険金の請求や年金の手続きに使う書類箱、郵便物の束
公共料金や契約の請求書解約や名義変更の連絡先が分かる郵便受け、電話台のまわり
鍵(家・物置・金庫・車)開かない場所をなくすキーケース、玄関の引き出し
遺言書らしき物遺産の分け方に関わる仏壇、金庫、手帳のあいだ

遺言書らしき封筒を見つけたら、その場で開けずに家族に知らせ、扱いを専門家に確かめましょう。見つけた物は1つの箱にまとめ、何をどこで見つけたかをメモしておくと、兄弟への説明も楽になります。

実家の遺品整理で最初に探す物の図解

探す時は「部屋ごとに、引き出しは全部」

書類や貴重品は、思いがけない場所から出てくることが多いんです。服のポケット、本のあいだ、冷凍庫の奥から封筒が見つかることもあります。

1部屋ずつ順番に、引き出しは全部開けて確かめるのが近道です。終わった部屋の入り口に付箋を貼っておくと、家族で手分けしても重ならずに済みますよ。

届いた郵便物は、手続きの手がかりになる

郵便受けや電話台のまわりにたまった郵便物は、捨てずに一度目を通してみてください。銀行や証券会社、保険会社、カード会社からの通知は、親がどこと取引していたかを知る手がかりになるんです。

『ダイレクトメールばかりだし、まとめて捨てよう』と思いますよね。ただ、そのなかに年金や税金の通知がまじっていることもあります。差出人ごとに分けて輪ゴムで留めておくだけでも、あとの手続きが楽になります。

相続放棄を考えているなら、片付けの手を止める

ここは慎重に

相続放棄を考えている場合、遺品を売ったり捨てたりすると、相続を認めた(単純承認)とみなされるおそれがあります。片付けを始める前に、家庭裁判所や弁護士に確かめてください。

民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分した時は、単純承認したものとみなすと定めています。どこまでが許される管理で、どこからが処分にあたるのかは、事情によって変わるので自分で判断しないのが安全です。

相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に、亡くなった親の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てます。費用は申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手です。

親に借金があるかもしれない時は、「探す」段階で見つけた通帳や郵便物が判断の材料になります。詳しくは相続放棄するなら実家の片付けはどうする?を読んでみてください。

分ける順番は「残す・形見分け・売る・処分」

探す段階が終わったら、いよいよ物を分けていきます。順番を守ると、価値のある物をうっかり手放す心配が減ります。

遺品を分ける順番
  1. 家族それぞれが残したい物に、名前を書いた付箋を貼る
  2. 形見分けしたい物を1つの部屋に集め、親族に声をかける
  3. 値段がつきそうな物を「査定」の箱に分ける
  4. 譲る物、寄付する物をまとめる
  5. 残った物を、自治体のルールに沿って処分する

形見分けは、家族や親族が集まる法要の時期に合わせると、日程を合わせやすいです。分け方の決め方は形見分けの進め方で紹介しています。

思い出の品は、無理に減らさなくていい

手紙や写真、親が使っていた手帳などは、なかなか決められない物ですよね。迷う物は「保留」の箱に入れて、気持ちが落ち着いてから見直しても大丈夫です。

箱の数をあらかじめ決めておくと、残す量が増えすぎずに済みます。手放す物は、写真に撮ってから送り出すと気持ちの区切りがつきやすいですよ。写真やアルバムの整理は実家の写真・アルバム・手紙の整理を参考にしてみてください。

処分する物は、許可のある回収先へ

残った物は、実家のある市区町村の収集や粗大ごみ、処理施設への持ち込みで出していきます。量が多い時は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可か委託がある業者に回収を頼みましょう。

「無料で回収します」と回っている業者の中には、許可を持たないところもあると、環境省や政府広報が注意を呼びかけています。トラブルの防ぎ方は遺品整理・不用品回収のトラブル事例と防ぎ方にまとめています。

自分でやるか、業者に頼むか

物の量や通える日数によっては、すべてを家族でやるのは難しいこともあります。家族でやる部分と、業者に頼む部分を分けて考えてみましょう。

家族で進める
  • 自分たちのペースで、思い出を確かめながら進められる
  • 何を残し、何を手放したかを家族が把握できる
  • 大型の家具や大量の搬出は、体力的に難しいことがある
業者に頼む
  • 大きな物の運び出しや大量の処分を短い日数で終えられる
  • 費用がかかり、残す物の伝え方に工夫が要る
  • 見積もりや契約の内容を、家族で確かめておく必要がある

自分でやる時の手順は遺品整理を自分でやる方法に、業者に頼む時の流れは遺品整理を業者に頼む時の流れにまとめています。

価値のある遺品は、処分の前に買取で確かめる

ここだけは先に

指輪やネックレス、腕時計、着物、骨董品などは、ごみや処分の山に入れる前に、査定で値段を確かめておきましょう。一度処分してしまった物は、もう取り戻せません。

遺品整理で「売る」段階を後回しにすると、価値のある物まで一緒に処分してしまうことがあるんです。親の世代は、指輪や金の小物、記念硬貨などを大事にしまっていることが多いですよね。

売れる物を先に抜いておくと、処分する量が減ります。業者に頼む場合も運び出す物が少なくなり、受け取った代金を片付けの費用に充てることもできます。

遺品価値に気づきにくい理由査定に出す時のひと工夫
金・プラチナの指輪やネックレス小さく、箱ごとしまい込まれている切れた物や片方だけの物も一緒に出す
腕時計動いていないと価値がないと思いがち箱や保証書があれば一緒にそろえる
着物・帯古い物は売れないと思い込みやすい帯や帯締めなどの小物もまとめる
骨董品・掛け軸・食器価値の見分けがつきにくい入っていた木箱も捨てずに残す
記念硬貨・切手引き出しや本のあいだに紛れているアルバムやシートのまま出す

査定の方法は、店に持ち込む、家に来てもらう、写真を送るなどから選べます。例えば、おたからやは出張査定や店頭査定、LINE査定に対応していて、出張料・査定料・買取手数料はかからないと案内しています。

ブランド品や腕時計が多い時はブランドリバリュー、着物が多い時は着物も扱うまねきやのように、品物に合わせて相談先を選ぶのも一つの方法です。どの品物に値段がつきやすいかは実家の片付けで売れるもの一覧で、買取店・リサイクルショップ・フリマの違いは実家の品はどこで売る?で詳しく見られます。

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捨てる前に、実家の品の査定額を確かめる

金・貴金属やアクセサリー、ブランド品、時計、骨董品、古いお金なども、まとめて査定してもらえます。運び出しが大変な時は出張査定、まずは写真で聞きたい時はLINE査定も選べます。金額を聞いてから売るかどうか決めましょう。

査定料無料公式サイトで査定方法を確認する

買取の対象や条件は品物によって変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。

査定に出す前に、そろえておきたいもの

買取には、売る人の本人確認書類が要ります。親の遺品を子が売る場合は、家族の誰が売るのかを先に決めておくと手続きがスムーズです。

査定の前に準備すること
  • 売る人の本人確認書類(運転免許証など)
  • 品物の箱、保証書、鑑定書などの付属品
  • 売ってよいかについての、家族の了解
  • 査定に出す品物の一覧(写真でも可)

例えば、まねきやは、本人以外からの依頼で売却金額が200万円を超える場合に、委任状と、依頼を受けた人と持ち主の身分証明書が必要だと案内しています。細かな条件は店ごとに違うので、申し込む時に確かめておきましょう。

家に来てもらって売る出張買取(訪問購入)には、特定商取引法のルールがあります。契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができるので、急いで決めなくて大丈夫です。

実家の遺品整理、知恵袋に寄せられた相談

遺品整理の悩みは、ネットの相談サイトにもたくさん寄せられています。よく見かける相談を要約して答えていきますね。

義母の遺品の貴金属をもらった。売るのはよくないこと?

形見として受け取った貴金属を、使わないまま持っていていいのか、売ったら失礼なのか迷う、という相談です。

『売ったら故人に悪い気がする』と感じるのは自然なことです。ただ、しまい込んだままより、気持ちの整理がついた時に手放すのも一つの選び方です。

迷う時は、ひとつだけ手元に残して、ほかを査定に出すという方法もあります。家族の誰かが欲しがっていないか、先に聞いておくと安心ですよ。

桐ダンスや骨董、新しい着物や服がある。どうしたらいい?

遺品の中に、きれいな桐ダンスや骨董品、新しい着物や衣類があって、捨てるのはもったいないという相談です。

こうした物は、処分の前に査定に出してみる価値があります。家具は運び出しが大変なので、出張で見てもらえる買取店に、ほかの品物とまとめて相談すると手間が減ります。

着物は、帯や小物と一緒に出すのがコツです。骨董品は、入っていた箱や書き付けも価値の手がかりになるので、中身と別にしないでおきましょう。

業者が現金や時計を持っていかないか心配

遺品整理業者に頼みたいけれど、現金や貴重品が紛れていたらどうなるのか不安、という声も多く見かけます。

いちばんの対策は、業者が入る前に家族で「探す」段階を済ませておくことです。貴重品を先に取り分け、作業の日はできるだけ立ち会い、残す物は別の部屋にまとめておきましょう。

実家を片付ける人

大きな家具がいくつもあって、自分たちでは運び出せそうにありません。

案内役

大きな家具は、無理に自分で運ばなくて大丈夫です。市区町村の粗大ごみや、許可のある業者への依頼を組み合わせてみましょう。売れそうな物は、先に査定で確かめておくといいですよ。

遺品整理の費用は、どのくらい見ておけばいい?

母を亡くして弟と家を相続することになり、業者に頼んだ時の相場を知りたい、という相談です。

遺品整理の費用には、公的な相場がありません。物の量、部屋の数、階段や通路の広さ、仕分けを誰がするかで、金額は大きく変わります。

いくらかかるかを知るには、複数の業者に家を見てもらって見積もりを取るのが確かです。家族で仕分けを済ませ、売れる物を先に買取に出しておくと、頼む量そのものを減らせます。

よくある質問

実家の遺品整理は、いつから始めればいいですか?

始める時期に決まりはありません。ただ、相続放棄は3か月以内など期限のある手続きがあるので、書類や貴重品を探す作業だけは早めに始めておくと安心です。

遺品整理は誰がやるものですか?

法律で決まった担当者はいません。相続する家族で話し合い、誰がどの作業をするか、費用をどう分けるかを先に決めておきましょう。

遺品を勝手に捨ててもいいですか?

相続人が複数いる時は、家族の了解をとってから進めるのが安心です。相続放棄を考えている場合は、売ったり捨てたりする前に家庭裁判所や弁護士に確かめてください。

遺品整理にはどのくらいの期間がかかりますか?

物の量や、家族が通える日数によって変わります。1部屋を片付けるのにかかった時間を目安にして、家全体の予定を組んでみてください。

遺品の中から何が売れるか分かりません。

金やプラチナの指輪、腕時計、着物、骨董品、記念硬貨などは値段がつくことがあります。価値が分からない物ほど、処分する前に査定で確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 実家の遺品整理は「話す・探す・分ける・手放す」の4段階で進める
  • 始める時期に決まりはないが、相続の手続きの期限から逆算して探す作業を早めに
  • 最初の数日は、通帳や権利証、保険の書類、鍵などを探すことにあてる
  • 相続放棄を考えているなら、売る・捨てる前に家庭裁判所や弁護士に相談する
  • 価値のある遺品は、処分の前に査定で確かめる

遺品整理は、故人と過ごした時間をふり返る作業でもあります。急がず、家族と支え合いながら、一段ずつ進めていきましょう。実家じまい全体の流れは実家じまいの進め方にまとめています。

実家じまい.jp

実家じまい.jp 編集部

親の家(実家)の片付け・遺品整理・家財の処分と売り方・空き家の売却や解体・相続登記と税金まで、実家じまいの進め方を、公的機関の情報と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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